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8月の農作業 2020.8.5更新


南部版


  水稲 ◇水管理
 8月中旬の出穂直前から穂ぞろい期までは、最も水を必要とする時期です。乾かさないように十分潅水します。
 また、台風のときは、暴風雨によって稲や葉が乾燥して白化するため、深水にして被害を軽減させましょう。

◇穂肥の調整
 6月上旬田植えの「恋の予感」で、葉色が薄いところは、8月16日までに穂肥をして調整します。これ以降の穂肥は、食味を低下させるため施用しません。
 一発肥料を施用しているほ場では、葉色が薄い場合、「い~ね707『改』」を10aあたり5kg以内で施用します。

◇病害虫防除
 ★出穂前の防除は必ず行ないましょう!
 田植え時に使用した箱施用剤は、8月に効果が落ちてきます。トビイロウンカや穂いもちの発生を抑えるため、防除を行ないましょう。
 また、近年はカメムシ被害も増加しています。出穂期に草刈りを行なうと、水田にカメムシを誘導することになるので、8月中旬には水田周辺の草刈りを済ませて、カメムシの住み家をなくしておきましょう。
 コブノメイガ予防として、「パダン粒剤4」を8月上旬に、穂いもちやウンカ類・カメムシ類に安定して効く「ガッツスター粒剤」を8月10日に散布します。
 いもち病が多いほ場では、「パダンバッサオリゼメート粒剤」を8月上旬に散布しましょう。

◇紋枯病
 ★近年、紋枯病の発生が多く、収量不足につながっています。防除は必ず行ないましょう!

紋枯病
紋枯病
発病株率が2割以上なら
すぐに防除する
 紋枯病は、夏の高温・多湿条件が長期間続くほど多く発生します。また、前年に発生が多いと、被害株や畦畔などの雑草の菌核が越冬して、発生を助長します。
 7月中旬以降、下の茎から病斑が見え始め、8月に稲の丈が伸びるにしたがって上位へ移行し、次第に葉が枯れ上がっていきます。被害が多くなると、収量が50%減少した事例もあります。
 発生が早くから見られるほ場や、上位葉まで被害が及ぶようなほ場、また、発病株率が2割以上ある場合は、出穂までに「リンバー粒剤」を、ウンカ類・カメムシ類と同時防除する場合は、「トレバリダビーム粉剤DL」で防除を行ないましょう。

〇稲こうじ病
稲こうじ病
稲こうじ病
 8月上旬から中旬に曇天が続く年は、稲こうじ病の発生が多い傾向にあります。
 出穂後、しばらくしてから見え始め、発生すると品質低下につながります。土壌中に菌が残るため、以前発生したほ場では薬剤散布を行ないましょう。「Zボルドー粉剤DL」または「モンガリット粒剤」を10aあたり3~4kg散布します。出穂20日前の散布が効果的です。

〇トビイロウンカ(秋ウンカ)
 トビイロウンカは、6月下旬から7月にかけて中国南部やベトナム北部など、亜熱帯アジア地域から飛来します。飛来の数と気温で、秋に大発生するかどうかが決まります。
 防除の適期は、7月下旬から8月上旬と、8月下旬になることが多いですが、飛来状況などによって変わります。発生状況は、株に生息する幼虫の数を調べ、1株あたり5匹以上いる場合は、直ちに防除しましょう。
 8月下旬から収穫7日前までにウンカが大発生した場合は、「スタークル粒剤」または「ビームスタークル粉剤5DL」「トレボン粉剤DL」で防除します。
 飛来が多く、被害が予測される場合は、注意報が発令されますので、この時期の情報に注意してください。注意報は広島県のホームページや、各グリーンセンターに設置してある農業電子図書館などで確認することができます。
トビイロウンカ(幼虫) 田の被害
トビイロウンカ(幼虫) 田の被害
株元に寄生し、吸汁加害する。
渦を巻いたように褐変が拡大して、坪枯れを引き起こす。


  野菜 ◇秋まき野菜のポイント
早くから畑や種を準備しておく
品種の選定
は種期を間違えない
生育初期の病害虫防除の徹底
追肥は遅れないようにする

◇秋野菜のは種
 秋野菜は、収穫時期に合わせて品種を選定してまきます。耐寒性や早生・晩生・日数のタイプを使い分けましょう。
 夏期の育苗は、高温で徒長しやすいため、潅水に気を付けます。潅水は朝1回とし、夕方には乾く程度にしましょう。

〇ハクサイ
 年内に収穫する場合は、8月25日ごろから「無双」「黄ごころ65」などをポットにまき、寒冷紗などで遮光して育苗をします。また、1月から2月に収穫する場合は、「黄ごころ85」を9月上旬にまきましょう。

〇ブロッコリー
 7月下旬から「ハイツSP」などの頂花蕾と、側花蕾が収穫可能な品種をまくと、長期間収穫できます。また、7月中旬から8月中旬に「ピクセル」をまくと、11月から12月に頂花蕾が収穫でき、その後、追肥すると側花蕾が数個収穫できます。1月以降の収穫には、「メガドーム」を8月上旬から9月上旬にまきます。

〇レタス
 8月下旬に「サウザー」をまくと、11月上旬から収穫可能です。「シスコ」は9月中旬まきで、12月中旬の収穫です。

〇ニンジン
 8月上旬に「Dr.カロテン5」をまきます。は種後に、芽出し資材の「芽出たいシート」をべた掛けすると、きれいに発芽がそろいます。

◇定植時の粒剤防除
 「ミネクトデュオ粒剤」は、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、レタスなど主要な作物の植え付け後に、株元へ1g散布します。
 根から吸収された成分が地上部まで移行し、作物を対象害虫(アブラムシ類、コナガ、アオムシ、ハイマダラノメイガ、カブラハバチ)から守ってくれます。
 処理後3~4週間と、長い期間効果が持続するため、初期の害虫でお困りの畑は使用をおすすめします。

〇大豆の管理
 8月中旬の開花期に乾燥すると、花が落ちて、さやの太りが悪くなるため、8月10日ごろと20日ごろ、畝間に走り水をします。
 開花後、マメシンクイガやカメムシ、ハスモンヨトウなどの害虫に注意してください。開花2~3週間後より、10日おきに2回「トレボン粉剤DL」を1aあたり400g散布します。


  果樹 ◇カキの管理
 果実肥大で、主枝、亜主枝が垂れ下がってきます。枝が混んで重なりあうと、果実が傷つき、着色不良、病害虫の発生を助長します。枝折れ防止、日当たり改善のため、支柱を立て、枝吊りをします。
 また、過乾燥は肥大不足、日焼けを引き起こしますので、定期的に潅水します。
 台風で落葉が激しい場合は、再度、摘果が必要です。特に葉のない結果枝についた果実は摘果します。8月上~中旬は、カキノヘタムシガの重点防除時期になります(「サムコルフロアブル10」など)。

◇イチジクの収穫
 収穫前にハダニ、サビ病等が発生していないか確認します。収穫は、果実の温度が上がる前の早朝に行ないます。
 収穫約2週間前から成熟が急速に進み、少しの収穫期の違いが品質(熟度)に影響します。早いと低糖度、遅いと日持ちが悪くなります。収穫は、果実の着色、硬さ、垂れ具合で判断しましょう。
 また、葉からの蒸散量が激しい時期ですので、少量多回数で潅水することが重要です。降雨後などは、裂開部に水が入ると傷みが早いため、選別をしっかり行なう必要があります。

◇核果類の礼肥
 モモやアンズ、スモモなどの核果類は、早期樹勢回復、貯蔵養分の蓄積を目的に礼肥を施用します。収穫直後に、「硝酸入り化成肥料S604」などの速効性肥料を施用(10aあたり20kg程度)し、十分潅水しましょう。新梢の伸びが停止しない樹や、早期落葉樹では、施用量を制限するとともに、徒長枝や副梢の整理が必要です。

◇柑橘の管理
 着果量が多く、摘果不足の場合は、小玉果が多くなります。仕上げ摘果を徹底し、葉果比20~25を目安に調整しましょう。豊作樹は、樹の先端部の摘果を徹底し、樹勢維持に努めます。また、夏場に乾燥させると、中晩柑類は小玉、酸高になるため、摘果、潅水を行ないます。黒点病、ハダニ、サビダニの重点防除時期になるので、防除を徹底しましょう。

◇台風対策 (北部版参照)


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北部版


  水稲 ◇水管理
秋落ちで発生しやすい
 ごま葉枯病
秋落ちで発生しやすいごま葉枯病
 穂ばらみ期から出穂期、乳熟期までは、稲が最も水を必要とする時期です。
 ただし、水を湛めたままにすると根が弱り、下葉の枯れ上がりや黄化、ごま葉枯病などの発生を引き起こします。
 出穂後は、間断潅漑(かんがい)を行なうことで、根を健全に保ち、登熟を助けます。
 落水は登熟を助けるため、出穂後30日を目安にします。ただし、降雨が予測されない場合、乾きやすいほ場では最後の登熟を助けるため、落水1週間後に走り水をします。

◇病害虫防除
 穂ぞろい期に、穂いもちやウンカ類、カメムシ類の同時防除を行ないます。
 出穂直後から籾を加害し、斑点米の原因となるカスミカメムシが多く発生しています。
 このため、出穂後は早い段階での防除が重要になります。コシヒカリは、穂ぞろい期と、その7日後の2回、防除をしましょう。「スタークル粉剤DL」を10aあたり3kg、または「スタークル液剤10」の1,000倍液を10aあたり150ℓ散布します。
 また、カメムシは水田周辺の雑草地に潜んでいるため、草刈りを行ないます。
 ただし、出穂直前に行なうと、逆に水田に追い込むことになるため、出穂の2週間前までにしましょう。
 粉剤を散布する場合は、風が収まりやすい夕方に行ないます。特に、周辺住民や近隣の農作物栽培者への連絡を徹底しましょう。また、農薬を一番吸い込むのは作業者自身です。自分の体を守るため、散布時には防除衣や農薬用マスク、手袋などを必ず着用しましょう。

出穂期~穂ぞろい期までの防除
剤型 ウンカ類 カメムシ類 いもち病 ごま葉枯病 薬剤名 使用基準
(10aあたり
粉剤 ビームスタークル粉剤5DL 4kg
ブラシンダントツH粉剤DL
液剤 ブライシンフロアブル 150ℓ
(1,000倍希釈)
スタークル液剤10
ビームエイトスタークルゾル

出穂後に加害するカメムシ
カメムシによる斑点米 アカスジカメムシ
カメムシによる斑点米
10,000粒中2粒あると2等米になる。
アカスジカメムシ
稲の乳熟期以前に吸われると不稔となり、糊熟期以降に吸われると斑点米となる。


  野菜 ◇秋まき野菜の植え付け準備
 ダイコンやニンジンなどの根菜類は、種まき直前に堆肥などを入れると、又根になります。30日前には堆肥を入れ、は種までに4~5回耕うんしましょう。その他の又根の原因は、根が伸びる先にある石や肥料、すき込んだ前作の植物残渣や雑草などです。
 また、耕うんをしっかり行なうと、土中に酸素が供給され、つやの良いダイコンや、色の鮮やかなニンジンができます。
 酸素が不足すると、ダイコンは皮がくすみ、透明感のないものになります。また、ニンジンは先が細く、色の悪い白けたものになります。

◇品種の選定と管理
 収穫の時期・料理の仕方に応じて、品種の選定をします。耐寒性や早生・晩生・日数のタイプを使い分け、同じ時期にまいても、品種を変えることで順番に長期間収穫できます。まく時期が早すぎると、害虫や病気が多く発生し、栽培が困難となります。
 反対に遅すぎる場合は、ダイコンは太りが悪くなり、ハクサイやキャベツは巻かない場合があります。レタス・ホウレンソウは暑いと発芽が悪くなるため、一昼夜、水に浸けたあと、水を切り涼しい所(20℃)で芽出しを行ないましょう。
 レタスのは種は、8月上旬に行ない、20日程度育苗して定植します。プラグ育苗は、128穴トレーに1粒ずつまいて、薄く土をかけ、新聞紙などで被覆します。
 芽が出始めたら新聞紙を取り除き、光に当てます。苗が徒長しやすいので、夕方の潅水は行ないません。

◇害虫防除
〇初期の害虫防除
キスジノミハムシ
キスジノミハムシ
ハイマダラノメイガ
ハイマダラノメイガ
 初期の害虫防除は必ず行ないましょう。夏が高温で推移した年は、害虫が多く発生します。特に、キスジノミハムシやハイマダラノメイガには注意しましょう。
 また、土壌中にはヨトウムシやネキリムシ、キスジノミハムシの幼虫が発生し、苗を食害します。
 登録のある作物を確認のうえ、植え付け前に畝全面へ「ダイアジノン粒剤5」を、1aあたり400~600g散布して防除します。特にダイコンは、キスジノミハムシの幼虫が表面をかじるため注意しましょう。
 ★粒剤を使用した場所の間引き菜は食べられません。
 キャベツ・ブロッコリー・ハクサイの根こぶ病予防として、「オラクル粉剤」を1aあたり3kg施用します。
 定植時に「モスピラン粒剤」を植え穴に混和し、アオムシ、ハイマダラノメイガ、アブラムシなどの初期害虫を防除しましょう。

〇定植後の防除
 定植2週間後から、病害虫の防除を行ないます。べと病などの予防として、「ダコニール1000フロアブル」を散布します。あわせて、葉を食害するハイマダラノメイガやハスモンヨトウ、コナガなどの害虫防除として、「プレオフロアブル」または「ディアナSC」を散布します。

〇ナメクジ・カタツムリ対策
 ナメクジやカタツムリの被害は、野菜のみならず花などでも問題になっています。「スラゴ」はすべての作物で、収穫直前まで使用できる安全性の高い農薬です。
 処理方法は、ナメクジが活動する夕方からほ場全体に均一になるよう、1㎡あたり1~5g散布します。雨にも強く、効果は2週間持続します。なお、作物上に残らないように注意してください。
スラゴ散布方法 
スラゴ散布方法 日中・高温時の使用をなるべく避け、ナメクジ・カタツムリが活動を始める夕方に使用する。


  果樹 ◇台風対策(地域共通)
〇事前対策
 収穫期を迎えた果実は、台風の接近前になるべく収穫し、落果・打身の被害を軽減しましょう。また、苗木や幼木は根量が少なく、倒伏しやすいので、支柱への誘引を行ないます。
 果樹棚は、棚線の緩みや支柱の腐食を確認し、補修・補強をします。集中的な降雨によって、園地に水がたまることがないよう、排水溝の整備を行ないます。

〇事後対策
 台風通過後は、速やかに園内の状況を確認し、倒伏樹の引き起こし、折れた枝の切除を行ないます。枝の切り口には、癒合剤を塗布し、落葉が激しく、日焼けが懸念される樹については、「ホワイトンパウダー」を使用しましょう。
 柑橘類のかいよう病、核果類のせん孔細菌病、ナシの黒斑病や輪紋病なども、台風通過後に発生しやすいため、殺菌剤を散布します。

◇新梢管理 (各品目共通)
 落葉果樹は、主に7~8月が花芽分化期となります。翌年の結果母枝(結果枝が発生する枝)として利用する枝に日光が当たらないと、枝の充実や花芽の着生が悪くなります。
 徒長枝や副梢を除去し、樹冠下に20%程度光が差し込むよう調整しましょう。
 徒長枝の除去は原則、基から取り除きますが、更新枝の確保が必要な場合は、摘芯、基部を20cm程度残して、切り返えします。

◇ブドウの管理
〇結果量の見直し
 着果量が適正な場合は、飛び玉状に進み、着果過多樹では房全体がぼんやりと着色します。着果量が多いと、着色不良や糖度不足を招き、樹勢を低下させて、翌年の栽培にも影響を及ぼします。結果量を見直し、品質向上、翌年以降の栽培に備えましょう。

〇成熟期の土壌水分
 成熟期には、潅水をやや控えめに行ない、糖度の上昇や着色を促します。過度の乾燥は、果粒のしおれを引き起こし、減酸も鈍くなります。高温乾燥が続くようであれば、7~10日間隔で10~15mmの潅水を行ないましょう。

〇裂果対策
 着色期に入ると、果皮は薄くなり、裂果しやすくなります。裂果は、土壌水分の急激な変化や、長雨による水分の過剰供給により発生します。定期的に潅水し、土壌水分を適正に保ちましょう。また、園内に水がたまらないよう、排水対策を行ないます。



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