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6月の農作業 2017.6.1更新


南部版


  水 稲 《恋の予感》
◇基肥の施肥

 一発肥料「JA福山市 恋の予感」は、「恋の予感」の生育特性に合わせ開発した肥料で、10aあたり60kgを施用します。
 特長は、ケイ酸カリを含有しているため初期からケイ酸をよく吸収し、葉がしっかりします。また、生育初期から後半までカリが効率よく効くため、根張りが良くなり生育を補います。
 肥料の効き方は、偏穂重型の特性を活かすため、分けつ数を安定的に確保し、穂肥の溶出を高めることで、大きな穂を確保できるように調整しています。また、肥料切れを良くすることで遅れ穂の発生を抑え、食味を重視できる肥料として開発しています。
 一発肥料の施肥方法には、代かき前に散布してすき込む「全層施肥」と、代かき後に散布する「表層施肥」があります。
 一般的には、「全層施肥」を行ないますが、水温の上がりにくいほ場や耕土の深いほ場では、「表層施肥」をすることで理想的な肥料効果が期待できます。
 基肥・穂肥と分けて施肥をする場合は、基肥に10aあたり「セラコートR484」を35kg、または「ひろしま米有機入り基肥」を45kg施肥します。

◇田植え
○代かき

 代かきはゆっくり丁寧に行ないます。代かきが粗いと、田面の凹凸により、除草剤の効きにむらができて、生育不ぞろいの原因になります。
 ただし、代をかきすぎると土中の酸素不足となるため注意しましょう。
 植え付けは、適度な土の硬さになってから行ないます。
○箱処理剤
 移植2日前から前日に散布し潅水することで、薬剤を苗床にしっかり付着させます。
 使用する際には、薬剤が付着しないように葉の水滴を払い落とした後、育苗箱1箱あたり50gを均一に散布します。
 次に、葉にのった薬剤を払い落とし、軽く散水します。苗を箱から取り出すときは、薬剤を落とさないように気をつけましょう。
 福山市の中部や北部、府中市など、いもち病の発生が心配な地域では、「ツインターボフェルテラ箱粒剤」の施用が効果的です。
 ウンカ類などの害虫が多発する水田や福山市沿岸で、いもち病の発生が少ない地域では、「ビルダーフェルテラチェス粒剤」の施用が効果的です。
 紋枯れ病が多発する水田では、「ビルダープリンスグレータム粒剤」が効果的です。ただし、セジロウンカに対しては効果が劣るため、本田での発生に注意が必要です。
 いもち病の常発地では、「Dr.オリゼプリンス粒剤10」が高い効果を示します。
 毎年、「箱処理剤」と「除草剤」を間違える事故が発生しています。散布前には十分に確認して使用しましょう。
○植え付け

 田植えは6月10日を基本とします。
 条間30cm、株間22cmを目安にして1坪あたり50株を植え付けます。1株あたりの植え付け本数は3~4本とします。
 10aあたりの箱数は16箱を目安とします。
栽植密度と植え付け本数
適正
適正
目標茎数
目標茎数
太茎
太茎
長穂
長穂

蜜植

大株
茎数の増減
過繁茂
1茎あたりの
栄養配分
細茎
収量の増減
細穂
細穂

除草剤の使い方

 初期・一発除草剤は、雑草が発生する前に使用することが効果を高めるこつです。使用時期が来たら早めに使用しましょう。
 また、必ず水深5cm以上での湛水状態で均一に散布しましょう。
 水持ちの悪い水田は、効果が安定するため1キロ粒剤を散布します。
 水持ちの良い水田は、省力のできるフロアブル剤、ジャンボ剤がおすすめです。ただし、水持ちの悪い水田や、藻や浮き草が多発している水田では、効果が劣ったり生育不良になることがあります。
 藻や表層剥離が発生しやすい水田には「キクトモ1キロ粒剤」や「シリウスターボフロアブル」をおすすめします。
 なお、大雨で泥水などが流入した場合は、再度別の剤で処理しましょう。


  野 菜 春夏野菜の管理
○ナス・ピーマン

 6月上旬からは、気温の上昇とともに生育が旺盛になるため、特に主枝の誘引が遅れないように注意しましょう。
○トウモロコシ
 本葉が6~7枚になったころに追肥を行ないます。1aあたり「やさい化成2号」を5kg施用し、下の方から出てくるわき芽は残します。またその際、土寄せも行ないましょう。
トウモロコシの土寄せ
トウモロコシの土寄せ
○トマト
 3段果が開花後、徐々に根の力が弱くなり始めます。水や肥料の吸収が悪くなり、上段の実が小さくなったり、尻腐れが発生します。尻腐れになった実は治らないため摘果し、定期的な潅水と追肥を行なって樹勢を維持しましょう。尻腐れが多く発生する場合は、「畑のカルシウム」を1aあたり10kg施肥します。

尻腐れしたトマト 「畑のカルシウム」(5kg袋)
尻腐れしたトマト 「畑のカルシウム」(5kg袋)

貯蔵用タマネギの収穫
収穫時期のタマネギ
収穫時期のタマネギ
全株の約8割が倒伏したころ、天気のよい日を見計らって全部引き抜く。
 ベト病になると貯蔵性が悪くなるため、収穫まで発生が心配されます。「プロポーズ顆粒水和剤」は、収穫1週間前まで使用できるため、発生が多い場合は早急に散布するようにしましょう。
 全体の8割が倒れたら収穫を行ないます。貯蔵用タマネギの収穫は6月上旬ですが、この時期になっても倒れてこないものは、貯蔵性が劣ります。倒れない原因としては、トウ立ちした場合や、肥料が遅くまで効いていることが考えられます。
 収穫は晴天が続いた後に行ないます。降雨後、タマネギの首の部分が乾燥していない状態で収穫すると、腐りが多くなるため注意しましょう。
 抜き取ったら、すぐに軍手などで外側の泥が付いた皮を拭い取ります。
 その後、畑で1~2日乾かし、日がよく当たる風通しのよい軒下などに7~8玉ずつ吊るして保存します。

◇エダマメ
 花が咲く時期になります。乾燥が続くと着果が悪くなるため、不織布などでトンネルをして、湿度を保ちましょう。


  果 樹 ◇イチジク(蓬莱柿)の管理
○新梢管理

 10枚展葉するころ、葉の付け根部分にマッチ棒の先程度の大きさの秋果が着果します。果実の肥大を促すために、新梢の先端の芽(未展葉部分)を摘み取ります。その後、新たに発生する副梢は随時かき取ります。
 残す新梢の本数を最終的に4~5本/㎡とします。


モモ・スモモの管理

 モモは満開後50~60日で、袋かけを行ないます。結果量300果/樹を目安に仕上げ摘果し、特に日当たりの悪い部分の見直しを行ないます。
 摘果が全体的に遅れた場合や生理落果が少ない場合は、満開後75日ごろに見直し摘果を行ないます。
 あわせて水分の急激な変化を避けるため、マルチの部分被覆を行ない、核割れ防止、食味向上に努めます。
 スモモは6月中旬から「大石早生」の収穫期を迎えます。収穫適期は、果頂部(果実の尻)が赤く着色し、果実全体の緑が抜けたころです。果粉を落とさないよう注意しましょう。
○新梢管理
 枝が茂り過ぎて樹冠下が暗い場合は、徒長枝を整理し、樹冠内部の日照条件を改善することで着色や果実肥大を促進し、生理落下を軽減します。
 新梢の摘芯と誘引を行ない、結果枝の充実を図る一方、込み合う徒長枝は基から除去し、日焼けの恐れがある部分は10cm程度残してせん除します。

ミカンの摘果
 着果が多い樹は、樹冠上部1/3を全摘果して、翌年の結実を確保することが大切です。樹冠上部を摘果することで、樹勢の維持、発芽促進に努めます。
○病害虫防除
 黒点病、カミキリムシ・カイガラムシ、ハダニ防除には「ペンコゼブ水和剤」、「スプラサイド乳剤40」、「ハーベストオイル(マシン油97%)」を使用します。黒点病は枯れ枝の除去などをあわせて行ないます。



北部版


  水 稲 ◇いもち病防除
 長雨などにより、いもち病が発生した場合は、「ブラシン粉剤DL」を10aあたり3~4kg散布します。
急性型いもち病斑 慢性型いもち病斑
急性型いもち病斑 慢性型いもち病斑

水管理

 分けつの促進を図るため、間断潅漑(かんがい)を行ないます。
 6月下旬に茎数が1株あたり約20本確保できたら、中干しを行ないます。田面に小さな割れ目ができる程度を目安に乾かします。

残草対策

 残草の発生を確認したら、早い時期に目的に応じた除草剤を、ムラのないよう均一に散布します。
 ヒエのみが残ったところは、「ヒエクリーン1キロ粒剤」を散布します。ノビエ4葉期まで効果があります。田植え後15~35日の間に、十分に湛水した状態で10aあたり1kg散布します。ヒエ・広葉が残ったところでは、「ハイカット1キロ粒剤」を10aあたり1kg散布します。特に、オモダカやクログワイに高い効果を示します。「ハイカット1キロ粒剤」は湛水散布とし、散布後7日間はそのままの状態を保ちます。
 広葉のみが残ったところは、「バサグラン粒剤」を落水状態で散布します。晴天が2~3日続く日を選んで10aあたり3~4㎏散布し、落水状態を保ちます。(スポット散布できます。)


  野 菜 春夏野菜の管理
 果菜類を長期間収穫するには、肥料が切れたり、やり過ぎたりしないようにすることが重要です。
 長雨で根が傷む場合や、肥料切れなどして生育が悪くなった場合は、いったん不良果を間引いて生育を改善させましょう。

キュウリ
 生育が旺盛になってくるため、摘芯、摘葉を確実に行ないましょう。作業が遅れると、樹勢が急激に弱り、株が早期に枯れあがって減収となります。
 親づるは、支柱の高さで摘芯します。親づるの摘芯後は、株の勢いを維持するため、中段から出てくる力強い孫づるを3~4本残します。ただし、過繁茂とならないよう、込み合うところで摘芯を行ないましょう。
 また、梅雨の時期は肥料が抜けやすいため、追肥を定期的に施用することが枝の伸長を保つポイントになります。
 花の先に葉が5枚程度付いていれば健全ですが、少ないようなら樹勢が弱っています。状態を確認しながら、肥料の量や間隔を調整しましょう。
子づるの摘芯
子づるは本葉2枚を残し、その先で摘芯する。
キュウリの花と樹勢
キュウリの花と樹勢
健全な状態
トウモロコシ
 本葉が6枚程度になったら、トウモロコシの実の原型ができ始めるため、追肥を行ないます。1aあたり「やさい化成2号」を5kg施用し、下の方から出てくるわき芽は、倒伏の防止、養分の供給に役立つため、取らずにそのまま土寄せをします。
土寄せ
土寄せ


果菜類の誘引

誘引の方法
誘引の方法
茎が太るのに支障ないようにゆとりを持たせて8の字に
 生育が旺盛になってくる時期です。葉や枝が込み合うと、病害虫が増えたり、品質が低下したりします。摘芯や摘葉を行なうとともに、誘引が遅れないようにしましょう。
・主枝誘引の方法
 枝の先端が上を向いていないと生育が停滞し、収穫量も少なくなります。
 誘引の位置は先端から15~20cmの間で、間隔は30㎝程度とします。
 誘引は、8の字にゆとりを持たせて縛ります。トマト・ナスは、生育するにつれ茎も太くなるため、特に気をつけましょう。

◇黒大豆
定植の目安
定植の目安
 5月下旬から6月上旬の間に、1aあたり200~250gまきます。は種後、潅水し新聞紙を掛けて、芽が出るまでは水を控えます。
 ハトの被害にあいやすいため、苗床を作りネットなどを張って育苗し、本葉が見え始めるころに定植します。
 5cm間隔でまき、たっぷり潅水し、新聞紙を掛けておきます。
 芽が出るまで(約6日)は、腐りやすいため水を控え、土を持ち上げてきたら新聞紙を取り除き潅水します。
 肥料は、1aあたり「牛ふん堆肥」を100kg、「苦土セルカ2号」を15kg、一発肥料の「BB大豆化成653号」を1aあたり6kg施用し、追肥は施用しません。
 植え付け間隔は、畝幅150cm、株間50cmとし1本植えにします。
○サトイモの土寄せ
 サトイモの葉が3枚になったら「やさい化成1号」を追肥します。その後、2週間おきに2回追肥します。1回の追肥は1aあたり2kgとします。追肥が遅れるとイモの肥大が悪くなります。また、あわせて1回の追肥で7~10cm土を寄せます。土寄せが遅れたり、不十分だと、子イモから芽が出て品質が悪くなります。最終の土寄せの高さは30cmを目安とします。
サトイモの土寄せ
第1回 本葉3枚展開時 第2回・第3回
第1回 本葉3枚展開時 第2回・第3回
肥料を埋めるように通路の土を株元に寄せる。


  果 樹 ◇ブドウの管理
○新梢管理

 開花直前に房先8枚を目安に摘芯(新梢の先端の芽を摘む)します。
 摘芯後、新たに発生する副梢は、基から1~2枚残して摘芯します。
 ただし、摘芯や副梢の管理は、結果枝の強弱に応じて程度を調節しましょう。
副梢のはたらき
新梢を房先8枚で摘芯し、その後に出てくる副梢を硬核期までに各節2~3枚で摘心する。成熟が遅れるため、着色期から収穫終了時までは摘芯を行なわない。
副梢のはたらき
(注意)
成熟期後期の本葉と福梢葉の光合成速度の相対値数字は第13節の副梢葉を100としたときの値。
○ピオーネのジベレリン処理
▽1回目
 1回目の処理は種なしを目的に、満開~3日後までに果房浸漬処理します。
 薬液は「ジベレリン」12.5ppm(水4ℓに「ジベレリン」50mg)と「フルメット」5ppm(水4ℓに「フルメット」10mℓ)を混用して使用します。
▽2回目
 2回目の処理は肥大促進を目的に、満開10~15日後に処理します。
 薬液は「ジベレリン」25ppm(水4ℓに「ジベレリン」100mg)を使用します。

○摘房
 実止まり決定後、急速に粒が肥大し作業効率が悪くなるため、できるだけ早く取りかかります。
 実止まりの悪い房や軸が間伸びした房などを優先的に切り落とします。
 最終結果量より2割程度多く残します。樹勢の弱い樹は特に早めに摘房します。
○整形
 2回目のジベレリン処理までに肩の位置を決め、穂軸の長さを調節します。
 1房500g程度を目標にすると、穂軸の長さは満開約10日後時点で、ピオーネ、シャインマスカットが6cm、ニューベリーAで7cmが目安です。
○摘粒
 房の内部に入り込みそうな粒を早めに除去します。小中粒果や奇形果、傷果、突出果粒を除去します。
○病害虫防除
 この時期、ベト病、灰色かび病、晩腐病の感染時期となります。害虫では、アザミウマ類、コナカイガラムシの発生時期となります。
 殺菌剤は「ドーシャスフロアブル」、「フルピカフロアブル」、「アミスター10フロアブル」などを使用し、殺虫剤は「モスピラン顆粒水溶剤」や「パダンSG水溶剤」などを使用します。