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1月の農作業 2018.1.4更新


南部版


  水 稲 ◇平成29年産水稲の生育経過
【品種: 恋の予感】
(1)育苗期

 育苗期は、平年より気温が高く推移し、苗の生育は順調に進みました。

(2)田植え期~活着期
 田植えは6月3日~11日を中心に行なわれましたが、田植え後は気温が平年よりも低く推移したため、活着が遅れ初期生育が悪くなりました。

(3)生育期
 田植え後の低温により分けつは遅れていましたが、6月末からの気温上昇により急速に進みました。
 梅雨入りは、6月20日ごろと平年よりも13日程度遅くなりました。降水量は平年よりも少なく推移しましたが、その後適度に降雨があったため、生育は順調に推移しました。
 しかし、高温が続いたため8月1日付で紋枯病の注意報が発令され、8月に多発生したので防除が行なわれました。一方、ウンカ等の害虫被害は少なく推移しました。

(4)出穂期
 出穂は6月上旬の田植えで、8月25日ごろとなりました。出穂後は気温が下がり、登熟初期は順調に推移しました。

(5)登熟期~収穫期
 登熟期には夏期の高温が影響し、カメムシが多く発生しました。
 9月中旬に降雨が続き登熟の遅れが心配されましたが、9月下旬から10月上旬は天候が回復し、収穫は10月13日ごろから適期を迎えました。
 しかし、秋雨や度重なる台風の影響で降雨が続き、この時期としては、かつてないほどの降水量を記録し、刈り取りが大幅に遅れました。

(6)収穫・品質
 広島県南部の作況指数は、102(10月15日現在)であり、収量は平年より「やや良」となりました。しかし、刈り遅れたほ場では、品質の低下した玄米も一部見られました。
 1等米等級比率は74.8%(10月31日現在)となっています。
平成29年の気温と降水量・日照時間の推移 〔アメダスデータ:福山〕
平成29年の気温と降水量・日照時間の推移【アメダスデータ:福山】


  野 菜 ◇冬越し野菜の管理
 タマネギは、一発肥料を施していないほ場では追肥を行ないます。肥料は、「やさい化成2号」を1aあたり4㎏施用します。また、霜柱がひどい所では根が傷むため、「豊穣」を表層へ散布して被害を軽減させましましょう。
 苗づくり時期の10月に降雨が多かったため、病気の発生が懸念されます。予防剤を散布していない場合は、日中の暖かいときに「ジマンダイセン水和剤」を散布しましょう。
 イチゴは、1月下旬に「福山やさい有機129」を1aあたり3kg施用します。冬の寒さで葉が小さくなり、秋に定植した葉が枯れこんできますので、枯れた葉は基からかぎ取ります。

◇冬越し野菜の防寒対策
 ハクサイやキャベツは、マイナス2~3℃の低温が何日も続いたり、急な寒さにあったりすると、葉先や結球頭部が枯死、または腐敗するため注意しましょう。
 ハクサイは、外葉を束ねてヒモで縛り、不織布をべた掛けします。
 キャベツやブロッコリーは、低温にあうと外葉と花蕾の中心が傷むため、不織布を掛けて霜の害を防ぎます。
 根菜類は、地上へ出ている部分が凍害を受けるため、土を寄せて冬を越します。


  果 樹 ◇中晩柑
○収穫
 中晩柑は完熟収穫が目標です。腐敗防止剤の散布を徹底し、収穫時は二度切りします。
 なお、寒波情報などには十分注意してください。低温注意報が出た場合は、果実が凍結し、果皮障害やス上がりが発生します。収穫を早め、外成りの果実から優先的に収穫します。すべての果実を収穫した場合は、着色(7分程度を境)に応じて仕分けて貯蔵します。

○貯蔵管理
 貯蔵による商品性の低下を防ぐため、温湿度管理、腐敗果の点検、入庫量の調整を徹底しましょう。また、着色が悪く青みが残っている場合は、収穫直後に軽く保温することで着色が進みます。
 果皮のしおれなどで商品性を低下させないよう、貯蔵中に乾燥しすぎる場合は打ち水などで保湿します。酸欠にならないよう、貯蔵適温に近い時間帯に換気を行なってください。

◇越冬病害虫対策(落葉果樹)
○粗皮剥ぎ・園内清掃
越冬中のイラガ
越冬中のイラガ
 ブドウ、カキなどの樹皮下には、ハダニ類、カイガラムシ類、イラガなどの害虫が越冬しています。
 発芽までに粗皮(古くなった表皮)剥ぎを行ない、薬剤をかかりやすくしておきます。3~5年に一度は行ないます。
 あわせて、落葉、せん定枝、残果は病害虫の発生源となります。越冬病害虫密度低減のため、園外に持ち出して処分します。
越冬中のカイガラムシ 越冬したカイガラムシ
越冬中のカイガラムシ 越冬したカイガラムシ

◇土づくり

 土壌の保水性・保肥力の維持、向上のため、土づくりは欠かせません。土をつくることは根の活性化につながります。
 毎年、継続することで結果的に細根量が増え、気象変動に強い高品質の果実が生産できます。

○有機物の施用
 10aあたり2t以上の完熟堆肥(「豊穣」など)を施用します。未熟な堆肥施用は土壌病害の発生原因になります。

○石灰質資材の施用
 土壌酸度を矯正するため、「苦土石灰(セルカ2 号など)」を10aあたり100kg施用します。
 ただし、ブルーベリーは土壌がアルカリ化すると生育が極端に悪くなりますので、石灰ではなく、「ピートモス」を施用します。

○客土
 新根の発生を促し、根域を広げるため、イチジクなど根の浅い樹種には特に真砂土の客土が有効です。

○中耕
 踏み固めた土壌を柔らかくし、根に酸素を送り込むため中耕します。
 ただし、この時期には表土を崩す程度にとどめ、秋に発生した根を切りすぎないように注意します。
 イチジクやキウイなど根の浅いものは機械による中耕は避けましょう。




北部版


  水 稲 ◇平成29年産水稲の生育経過
【品種: コシヒカリ】
(1)育苗期

 育苗期は平年並みの気候で経過し、大きな病害はありませんでした。

(2)田植え期~活着期
 5月の連休を中心に田植えが行なわれ、田植え後は好天で経過したため活着は良好でした。
 4月下旬~5月上旬の降水量が平年に比べ少なく、水不足で田植えの準備が遅れるほ場が見受けられました。

(3)生育期
 前年秋の天候不順により、コンバイン収穫後の稲ワラを春にすき込むほ場が多く見られました。加えて、4月下旬~5月末まで少雨で経過したため、用水確保のため常時湛水となるほ場が多く、赤枯れが多発生しました。また、除草剤散布時および散布後に十分な降水量がなく、水管理が維持できなかったほ場が多かったため、平年に比べ残草が多く発生しました。
 田植え後~6月中旬まで多日照で推移したこと、また5月下旬~6月下旬の夜温が平年を大きく下回ったことから、草丈が短く、分けつの多い生育相となりました。
 6月の気温が低く、根の伸長・吸肥力が緩慢であったことや、地力窒素の発現遅延により6月上中旬の葉色は平年に比べ淡く、6月末ごろから遅れて葉色が濃くなるなど、平年に比べ葉色のピークが7日程度遅くなりました。

(4)幼穂形成期~出穂期
 5月中旬の気温が高く推移したこと、また、5~6月が多日照で経過したことから、平年に比べ幼穂形成期が3日程度早まりました。 さらに7月の気温が高く推移したことから、幼穂形成期~出穂期までの所要日数が短縮され、平年に比べ3~4日程度早い出穂となりました。
 最高分けつ期の茎数は平年に比べ多かったものの、夜温が低く経過したため、充実度の低い弱小分けつが多く、有効茎歩合が低下し、穂数は平年並みとなりました。
 幼穂形成期の葉色は平年に比べ濃かったものの、幼穂形成期~出穂期にかけて葉色の低下が大きく、出穂期の葉色は平年並みとなりました。
 低夜温から夜温上昇へと転じた7月以降の草丈の伸長が大きく、分けつ期を通して短く推移していた草丈は、出穂期の時点では平年に比べ長くなりました。

(5)登熟期~収穫期
 前年に収穫作業が難航したことから、本年は早期落水傾向でした。また定期的な降雨で収穫が遅延したほ場もあり、枯れ熟れが原因と思われる茶米の発生が平年に比べ多くありました。
 平年に比べ葉色のピークが7日程度遅延したこと、また7月上旬の夜温が高く、低日照で経過したことから第4及び第3節間長の伸長が大きく、倒伏に至ったほ場もありました。

(6)病害虫発生状況
 7月下旬が高温多湿で経過したため、8月1日に紋枯病の注意報が発表されました。そのほかの病害虫については、平年に比べ比較的少発生でした。

(7)収量・品質
 広島県北部の作況指数は102(10月15日現在)であり、収量は平年に比べ「やや良」となりました。また、コシヒカリの1等米比率は88%でしたが、カメムシの吸汁被害による品質低下もありました。
平成29年の気温と降水量・日照時間の推移 〔アメダスデータ:油木〕
平成29年の気温と降水量・日照時間の推移【アメダスデータ:油木】


  野 菜 ◇野菜の作付け計画
連作と野菜
連作障害の
少ないもの
ネギ・カボチャ
ホウレンソウ・サツマイモ
1年以上
連作を避けるもの
タマネギ・レタス・ダイコン
カブ・ニンジン・インゲンマメ
2年以上
連作を避けるもの
ハクサイ・キャベツ
カリフラワー・オクラ
3年以上
連作を避けるもの
ゴボウ・バレイショ・キュウリ
サトイモ・エダマメ・ソラマメ
5年以上
連作を避けるもの
トマト・ナス・ピーマン
スイカ・エンドウ
 野菜ごとに必要な株数、輪作などを考え、植え付け計画を進めます。
 畑の区割りをする時には、連作障害や日当たり、水の便などを考えて作付けします。
 連作障害の出やすさは野菜の種類によって差がありますが、エンドウやサトイモは、根からの分泌物に自家中毒を起こす物質を含んでいますので、連作障害が著しく発生します。
 ナス科(ナス、トマト、ジャガイモなど)、アブラナ科(ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなど)は、共通の病害を持っているため、連作障害が出やすくなります。
 また、特に肥料が残りやすいハクサイの後作には、トマトやスイカ、メロン、サツマイモなど、つるぼけしやすい作物の作付けは避けます。


  果 樹 ◇落葉果樹の整枝・せん定
○ブドウ(短梢せん定)
 樹液が止まってからせん定を始め、樹液が流れ始めるまでに終了します。
 芽の方向や大きさ、枝の充実度を判断して、枝(母枝)の基部1芽を残して切る1芽せん定を基本とします。
 乾燥や寒さによる枯れ込みが考えられる場合は、残す芽の1芽先の節で切る犠牲芽せん定を行ないます。
 主枝形成中の新梢は、品種や軸の太さによっても変わりますが、15芽程度残して切ります。

○核果類(ウメ・スモモなど)
 樹形が開張しやすく、主枝・亜主枝の先端があまり伸びず、樹勢が弱りやすくなるため、側枝を積極的に更新し、切り返しせん定を中心に枝の若返りを行ないます(結果枝:先端1/4程度を切る。更新枝:先端1/3程度を切る)。
 一方、枝の伸びが旺盛な勢いのある樹は、枝を誘引し、樹を落ち着かせると同時に、間引きを中心に行ないます。
 骨格枝の日焼け防止のため、葉芽の確保や返し枝などを利用します。
 ウメやモモは、切り口の傷の治りが悪いため、極端な太枝切りなどは避け、早めに枝の更新を図るよう心掛けましょう。
側枝(結果枝)のせん定
側枝(結果枝)のせん定
枝を放任した場合
枝を放任した場合
切り返しが強い場合
切り返しが強い場合

○カキ
 カキは高木性で、下から見た状態と上から見た状態を参考に不要な枝を見極めます。
不要な太い枝を切ります。
主枝、亜主枝の先端を切り返してから始めます。
内向枝は基から切ります。
亜主枝や側枝から出ている直上枝は、基から切ります。
近くにある同じ向き・勢力の枝は古い方を切ります。
高品質果実の生産のため、側枝は5年を目安に更新します。
 充実した花芽は、枝の先端2~3芽のみとします。
 充実度によって花芽の着生は異なりますので、充実の良いもの(枝が丸く、太く、長さ30~50cm程度で先端の芽が大きい枝)を残します。結実させる枝(結果母枝)は先端を切り返さず、60cm間隔で配置しましょう。
 また、側枝の更新ができるよう、予備枝を確保し準備をしておきます。

○イチジク
 主枝、亜主枝の先端はやや強めの切り返しを行ない、樹勢を維持します。樹勢が強すぎる場合は、誘引しながら樹勢を抑えます。
 結果枝(母枝)は、枝の強さによって加減しますが、基本的に1新梢5芽前後残して、下芽または横芽で切り返します。
 強い枝(太く長い)は、芽数を多めに残し、弱い枝(細く短い)は残す芽数を少なくします。混んでいるところは間引き、母枝は3本/㎡程度に整理します。
 一方、側枝が古くなり、基がはげ上がって、枝の先端に結果枝が集中しているような枝は思い切って更新します。翌年発生する陰芽を更新枝として育てます。
 せん定後、太い切り口は乾燥して枯れ込むのを防ぐため、「トップジンMペースト」を塗布しましょう。
せん定バサミとノコギリ
せん定バサミ 果樹剪定鋸 魁



 

《イチジクの新規栽培者講習会》
地域振興作物としてイチジクの栽培を推進しています。栽培に興味がある方は、ぜひご参加ください。
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・内容: イチジクの栽培とせん定について
・お問い合わせ松永グリーンセンター ☎084-930-4330 (担当: 藤木)

《果樹の専門誌『フルーツひろしま』(JA広島果実連発行)
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