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5月の農作業 2019.5.1更新


南部版


  水稲 〈恋の予感〉
◇は種

 「グリーンソイル」や「りゅうおう床土」を2cmの深さまで入れ、表面をならします。
 は種直前に十分潅水したほか、苗立枯病やムレ苗を予防するため、「タチガレエースM液剤」1,000倍液を、1箱あたり0.5ℓ潅注します。「タチガレエースM液剤」には、根張りを良くする働きもあります。
 催芽籾を1箱あたり180g(1.6合)、は種します。厚まきすると徒長して、葉や根が細く軟弱苗となり、活着や分けつが悪くなるので注意しましょう。
 覆土は、籾が隠れる程度(厚さ5mm)にします。覆土が厚すぎると、出芽が遅れ不ぞろいとなるため、均一にします。
 覆土後に潅水や薬剤の潅注を行なうと、表面の土が固まり、発芽不ぞろいや根上がりの原因となるため気を付けましょう。
アクアキーパー
 「アクアキーパー」は、吸水性の樹脂を加工した保水紙です。育苗箱の下に敷くことで、潅水の回数を減らすことができます。また、水の流出が少ないため、肥料の流亡も少なくなります。
 使いきりの資材ですが、日中の水やりができず、苗がしおれやすい場合にはおすすめです。
流出水量比較
左側がアクアキーパー使用
湛水 5分経過 湛水 20分経過
潅水 5分経過 潅水 20分経過
【使用時の注意点】
は種時の潅水量を通常の倍程度とし、十分「アクアキーパー」に吸水させます(潅水量が不足すると、発芽不良となります)。
育苗箱から根が出にくくなりますが、床下シート等の使用をおすすめします。
通常は朝1回の潅水として、潅水量を増やします。ただし、高温や風の強い日などは、しおれに気を付けましょう。

◇育苗箱設置~出芽
 床面を平らに整地し、箱と床面を密着させます。育苗箱を置く場所へは、2~1日前に十分潅水しておきます。
 水田に設置する場合、雨で育苗箱の上部まで水位が上がる場所は避け、必ず排水溝を設けます。

◇育苗管理
 「健苗シート」と「太陽シート」を組み合わせて、日当たりの良い場所で育苗をします。
 設置した苗箱へ「太陽シート」をべた掛けし、風が入らないように周囲を土で押さえます。その上に、「健苗シート」でトンネルをします。
育苗管理
「太陽シート」を取る
  タイミング
「太陽シート」を取るタイミング
 「太陽シート」を取るまでは、温度と水の管理は不要です。苗の丈が2cm(設置5日後が目安)になったら、夕方にシートを取り除きます。
 潅水を行ない、苗が持ち上げている土を落として、籾が出たところには土を入れます。その後は日中にトンネルの換気を行ない、昼間20~25℃、夜間15~20℃を目標にし、乾燥したら午前中に潅水します。
 第1葉の下が3cmになったら、硬化を行ないます。初めてトンネルを取るときは、急に強い光に当てると苗が白化するので、夕方や曇天時に作業します。日中は完全にトンネルを取って外気に慣らします。ただし、夜温が下がるようなら夜間だけトンネルをしましょう。
 田植え10日前からは、保温資材を完全に取り除いて外気に慣らします。潅水は朝と夕方の2回を基本に、晴天日は数回行ないます。
 ただし、午後4時以降の潅水は根張りを悪くするため、なるべく控えましょう。


  野菜 ◇春夏野菜の初期管理
トマトの苗
トマトの苗
花の位置を確認し、北側になるように植える
 植え付け後、仮支柱を行ない、風などで株元が動かないように固定します。
 定植後は、「テクテクネオ」や「テクテクネオキャップ」で2~3週間保温します。夕方、多少のしおれがある程度では潅水を控え、翌朝たっぷりと潅水します。
 トマトは、果実へ直射日光が当たると裂果しやすくなります。対策として、植え付け時に花の位置が北側になるようにすると、果実が直射日光を受けず品質が良くなります。また、高温乾燥で尻腐れが発生しやすくなるので、植え付け前に「畑のカルシウム」を1aあたり10kg施用しましょう。
 ピーマンは肥沃な土地を好むので、堆肥をしっかり施用し地力を上げます。ナス科の連作を避け、ウイルス病の感染原因となるアブラムシの予防のため、「アドマイヤー1粒剤」を施用します。樹勢維持のためには、生長点を下げない管理が重要なので、長い支柱を立て誘引します。
 スイカは乾燥に強い反面、過湿に弱いため排水の良い場所を選びましょう。基肥が多いとつるボケになるので、前作の肥料残りが気になる場合は、基肥をやらないで追肥で調整します。本葉4~5枚の苗を浅植えにし、保温キャップで初期の生育を高めます。特に接ぎ木苗を植える場合は、接いだ部分が地面より高くなるようにします。親づるは6枚で摘芯し、上位節より発生する子づるで4本仕立てにします。生育初期は午前中に水やりを行ない、梅雨入り後は原則不要です。
 エダマメは5月に、は種すると7月に収穫できます。またお盆ごろに収穫したい場合は、6月上旬に、は種を行ないます。品種は、「湯あがり娘」や「ダルマ早生黒枝豆」などがおすすめです。
 5月には直まきもできますが、約20日間は鳥害防止のためネットを張って育苗床で育苗します。まき溝を掘り十分に潅水してから、5cm間隔で種をまき、乾いた土で覆土しましょう。乾燥防止のため新聞紙を掛けておき、芽が出てきたら取り除きます。
 定植は畝幅60cm、株間20cmで植えます。植え付け場所へ1aあたり堆肥200kg、「苦土セルカ2号」15kg、「福山やさい有機189」3kgを施用します。植え付け後、不織布「テクテクネオ」でトンネルをしておくと、収穫まで防除をしなくてもきれいなエダマメが収穫できます。



  果樹 ◇柑橘の管理
○開花期防除
 開花の早い品種に合わせ、防除を行ないます。
 開花期(ミカン5~8分咲き時)に、「ダントツ水溶剤」4,000倍と、「ストロビードライフロアブル」3,000倍を混用して防除します。

○夏肥の施用
 夏肥は、樹勢維持と果実肥大を図るのが目的です。
 5月下旬に「ひろしまフルーツ元気188」を、10aあたり100kg程度施用しましょう。

○温州みかんのせん定
 今年花の量が多く発芽が少ない樹は、せん定により発芽を促します。
 樹の中で花が多すぎて発芽の悪い枝や、下に垂れ下がって勢いのない枝をノコで切りましょう。
 枯れ枝は黒点病の発生源となるため、あわせて除去します。
 特に昨年、成りの薄かった樹は花蕾が確認でき次第実施します。

◇カキの摘蕾

 果実の大きさは開花1ヵ月後までに決まります。
 この時期の発育は貯蔵養分だけでまかなわれているので、摘果よりも摘蕾に作業の重点をおきます。
 摘蕾は開花2週間前(平年で5月5日~10日)に行ないます。
 新梢中央あたりの、ヘタの形が整った大きい蕾を残します。
 残す蕾は日焼けしにくい下向き、または斜め下向きの蕾です。1結果枝に1花蕾を残しましょう。
 早期の摘蕾は生理落果を抑制する効果があります。
 また、遅れ花は再度、園地を見回って摘蕾しましょう。

◇イチジクの新梢管理
 展葉2~3枚のころから芽かぎを行ないます。最終的に1㎡あたり4~5本程度を残すよう、不要な芽をかぎとります。
 枝の更新に使えそうな位置にある、胴吹きの芽は予備枝として残しておきましょう。
 また、新梢を効率よく残せるよう、枝をねじったり(ねん枝)、ヒモで引っ張る(誘引)などして、樹勢調節や太枝の日焼け防止、整枝を行ないます。
 展葉10~12枚の時点で、幼果の発達を促進するため、枝先未展葉部分の新芽を摘み取ります(摘芯)。

◇モモの摘果 (北部版参照)
◇スモモの摘果 (北部版参照)
◇ブドウの管理 (北部版参照)




北部版


  水稲 ◇基肥
 普通~粘質田でコシヒカリを栽培する場合は、10aあたり「苦土重焼燐」20kgと、「コシヒカリ用884号」40kgを散布します。
 砂質田や秋落ち田では、「コシヒカリ用884号」を基肥で35kg、追肥で10kg散布しましょう。
 一発肥料は、「JA福山市コシヒカリ」を10aあたり35kg散布します。
 側条施肥田植機を使用して田植えをする場合は、基肥を1~2割減らしてください。
 倒伏しやすいほ場では、一発肥料の「楽一20W」、または「楽一21」を10aあたり30kg施用しましょう。
 この肥料は倒伏軽減剤が入っているため、稈長を短く抑え、安心して稲作りができます。側条施肥田植機を使用する場合は「楽一20W」を、手まきや動力散布の場合は「楽一21」を使用します。
けい酸加里プレミア34
けい酸加里プレミア34 「けい酸加里プレミア34」を施用することで、稲体を丈夫にするとともに、根張りが向上します。それにより、登熟不足や乳白米が軽減し、安定した稲作りを行なえます。
 基肥で使用する場合は、10aあたり40~50kg施用します。

◇田植え
 「Dr.オリゼプリンス粒剤10」「ツインターボフェルテラ箱粒剤」は、イネミズゾウムシや葉いもちなど初期病害虫を長期間抑えます。田植えの2~1日前に、育苗箱1箱あたり50gを均一に散布して潅水し、苗床にしっかり付着させておきます。
 1坪あたりの植え付け株数は、50~60株が基本です。ただし、高冷地では60株程度にします。1株あたりの植え付け本数は3~5本とします。
「箱処理剤」と「除草剤」を間違える事故が毎年発生しています。散布前には、十分に確認して使用しましょう。

◇除草剤の使い方

 初期・一発除草剤は、雑草が発生する前に使用することが効果を高めるポイントです。
 また、必ず水深5cm以上の湛水状態で均一に散布します。
環境に配慮した農業を行なうため、除草剤使用後7日間は湛水を保ち、落水、かけ流しは行ないません。
 活着不良苗や散布後の挿し苗などは、薬害が発生しやすいので注意します。

○体系処理
 雑草多発田では、移植直後(ノビエ1葉期まで)に「サキドリEW」、または「スウィープフロアブル」の初期除草剤を散布します。その後、田植え14~23日後を目安に一発処理剤の「カチボシ1キロ粒剤」、「ポッシブルジャンボ」、「イネキングフロアブル」などを散布します。
 特にクログワイが多いところでは、初期剤として「スウィープフロアブル」を使用します。

○一発処理(普通田)
 雑草の発生前に散布することで、長期間防除することが可能です。散布時期が遅れると雑草が発生するため、コスト高となります。使用時期になったら、早めに散布しましょう。

○豆つぶ剤
 省力剤として、フロアブル剤、ジャンボ剤に次いで、豆つぶ剤の使用が増えています。豆つぶ剤はフロアブルの一種に位置付けされますが、フロアブルよりも遠方へ散布することができ、ジャンボ剤のように1ヵ所へ固まらないため、薬害の心配が少ない剤型です。
 「ガンガン豆つぶ250」は、ノビエに効果の高い成分を含んでおり、残効性にも優れています。
 田植え3日後から散布できるため、ノビエが発生する前の早い段階で散布すると効果が安定します。
豆つぶ剤の崩壊~拡散状態
豆つぶ剤の崩壊~拡散状態


  野菜 ◇夏野菜の植え付け
果菜類の定植
 活着には、夜間の最低温度で10℃以上が必要となります。保温・地温確保のための対策をしましょう。

○果菜類の定植
 定植1週間前に黒マルチを張り、地温の確保をします。
 次に、定植1日前に植え穴を開けて、十分潅水します(植え付け直前の潅水は地温を下げるので行ないません)。
 定植後、不織布トンネルや保温キャップなどで防寒します。

◇夏野菜の管理
 野菜の品種特性を把握することで、上手に野菜づくりを行ないましょう。
 果菜類は定植後、主枝の伸長を助けるため、わき芽かぎと摘花を行ないます。

◇ナスの定植

 生育温度は23~30℃で、15℃以下や32℃以上になると、生育が悪くなります。
 排水が良く、肥沃な土壌で水の便利な場所を選び、連作を避けます。ナスは水と肥料が重要になります。畝幅150cmに株間60cmの1条植とします。畝幅や株間が狭いと日照不足になり、品質・収量が低下します。

◇バレイショの管理
 芽が出てきたら、太い芽を1本残して芽かぎを行ないます。芽の数が多いとイモの数が増えて、大きくなりません。
 また、芽かぎとあわせて追肥と土寄せを行ないます。追肥は、1aあたり「やさい化成2号」を6kg施用します。土寄せが不足するとイモが緑化し、品質が悪くなります。

◇コンニャクの定植
 気温が上がる5月に、強風の当たらない場所へ定植をします。
 肥料は、1aあたり「牛ふん堆肥」200~400kg、「苦土石灰」6kg、「HB有機入りこんにゃく大玉」12kgを施用します。
 植え付け間隔は、イモの年数によって変わります。畝幅は60cmとし、株間は1~2年生で直径の4倍程度、3~4年生で直径の5倍程度とします。
 芽の付け根から6cm程度になるよう、覆土します。また、イモのくぼみに水がたまらないように斜めに植えます。


  果樹 ◇ナシ・リンゴの摘果
 ナシやリンゴの花は、複数の花が一塊(花そう)となっています。
 落花20~30日ごろに、1花そう1果に摘果します。大きくて形の整っている縦長の果実を残すようにしましょう。
 一般的に、ナシは基から3~5番目の果実、リンゴは中心果を残します。

◇モモの摘果
 予備摘果は満開後20~30日ごろに行ないます。
 上向果、傷果、変形果、双胚果、発育不良果を優先的に落とします。
 仕上げ摘果は、満開40~50日後ごろから行ないます。
 残す果実は縦長で大きく、着果部分に葉がある横~下向きのものとし、上向果、傷果、変形果、双胚果は生理落果しやすいため摘果します。
 「清水白桃」などの品種は、生理落果が終わる満開70日ごろに摘果します。

◇スモモの摘果
 早生種や樹勢の弱い品種(「ソルダム」など)から始め、生理落果の多い品種(「サンタローザ」など)は実止まりを確認後に行ないます。
 着果は、「大石早生」などは8~10cm間隔に1果、「サンタローザ」や「ソルダム」は10~12cmに1果程度残します。
 縦長で濃い緑色、果軸が太い、横~下向きの果実を残します。

◇ブドウの管理
○芽かぎ
 展葉6~7枚ごろまでは、前年貯蔵した養分で生育しています。早めの芽かぎで養分の浪費を防ぎます。
 最終的に、主枝2mあたり20~25本の枝を確保します。

○新梢管理・花穂整形
 展葉8~9枚を目安に、新梢を棚面に誘引します。誘引後は、花穂が急速に発達します。
 花穂の状態が判別できるようになったら、素直な花を1新梢1花穂に整理します。ピオーネでは開花始めに、花穂の先端約3cmを目安に整形します。結実安定のため、房先の展葉8枚を確保し、摘芯を行ないます。

○摘芯
 摘芯は着粒安定を目的とし、1新梢で12~13葉(房先8葉)を目安に行ないます。摘芯の遅れは、花振るいをする場合があるので、開花期までに終わらせましょう。新梢が弱く、伸長が停止しかけている場合は避けます。

○病害虫防除
 展葉8~9枚ごろになると、灰色かび病の発生が見られることがあります。
 開花が始まり、連続した降雨が予想される場合は追加防除を行なうとともに、花カス落としを徹底しましょう。