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8月の農作業 2019.8.1更新


南部版


  水稲 ◇水管理
 8月中旬の出穂直前から穂ぞろい期までは、最も水を必要とする時期です。乾かさないように十分潅水します。
 また、台風の時は暴風雨によって稲や葉が乾燥して白化するため、深水にして被害を軽減させましょう。

◇穂肥の調整

 6月上旬田植えの「恋の予感」で、葉色が薄いところでは、8月16日までに穂肥をして調整します。これ以降の穂肥は、食味を低下させるため施用しません。
 一発肥料を施用しているほ場では、葉色が薄い場合、「い.ね707「改」」を10aあたり5kg以内で施用します。

◇病害虫防除
 田植え時に使用した箱施用剤は、8月に効果が落ちてきます。トビイロウンカや穂いもちの発生を抑えるため、防除を行ないましょう。
 また、近年はカメムシ被害も増加しています。出穂期に草刈りを行なうと、水田にカメムシを誘導することになるので、8月中旬には水田周辺の草刈りを済ませて、カメムシの住み家をなくしておきましょう。
 コブノメイガ予防として、「パダン粒剤4」を8月上旬に、穂いもちやウンカ類・カメムシ類に安定して効く「ガッツスター粒剤」を8月10日に散布します。
 いもち病が多いほ場では、「パダンバッサオリゼメート粒剤」を8月上旬に散布しましょう。

○紋枯病
紋枯病
紋枯病
発病株率が2割以上あればすぐに防除する。
 紋枯病は、夏の高温・多湿条件が長期間続くほど多く発生します。
 7月中旬以降、下の茎から病斑が見え始め、8月に稲の丈が伸びるにしたがって上位へ移行し、次第に葉が枯れ上がっていきます。被害が多くなると、収量が50%減少した事例もあります。
 発生が早くから見られるほ場や、上位葉まで被害が及ぶようなほ場、また発病株率が2割以上ある場合は、出穂までに「リンバー粒剤」を、ウンカ類・カメムシ類と同時防除する場合は「トレバリダビーム粉剤DL」で防除を行ないましょう。

○稲こうじ病
 8月上旬から中旬に曇天が続く年は、稲こうじ病の発生が多い傾向にあります。
 出穂後しばらくしてから見え始め、発生すると品質低下になります。土壌中に菌が残るため、以前発生した田では薬剤散布を行ないます。「Zボルドー粉剤DL」または「モンガリット粒剤」を10aあたり3~4kg散布します。出穂20日前の散布が効果的です。

○トビイロウンカ(秋ウンカ)

トビイロウンカ(幼虫)
トビイロウンカ(幼虫)
田の被害
田の被害
株元に寄生し、吸汁か害する。
渦を巻いたように渇変が拡大して、坪枯れを引き起こす。
 トビイロウンカは、6月末から7月にかけて中国大陸から飛来してきます。飛来の数と気温で、秋に大発生するかどうか決まります。
 防除の適期は、7月末から8月上旬と、8月下旬になることが多いですが、飛来状況などによって変わります。発生状況は、株に生息する幼虫の数で調べ、1株あたり5匹以上いる場合は、直ちに防除します。
 8月下旬から収穫7日前までにウンカが大発生した場合は、「スタークル粒剤」または「ビームスタークル粉剤5DL」「トレボン粉剤DL」で防除します。

~農薬危害防止運動を実施中~
 6月1日~8月31日の期間中、農薬の安全かつ適正な使用や保管管理、農薬による事故等を防止することを目的に「農薬危害防止運動」が実施されています。
 農薬について正しい知識を持ち、適正使用や、事故等の防止に努めましょう。また、農薬保管庫を使用し、整理整頓を行なえば、事故の防止につながりますのでおすすめです。


  野菜 ◇秋まき野菜のポイント
早くから畑や種を準備しておく
品種の選定
は種期を間違えない
初期の病害虫防除の徹底
追肥は遅れないようにする

◇秋野菜のは種
 秋野菜は、収穫時期に合わせて品種を選定してまきます。耐寒性や早生・晩生・日数のタイプを使い分けましょう。
 夏期の育苗は、高温で徒長しやすいため、潅水には気を付けます。
 潅水は朝1回とし、夕方には乾く程度にしましょう。夕方の潅水は、徒長するため基本的に行ないません。


○キャベツ
 8月上旬に「湖月SP」「初秋」をまくと年内に収穫できます。
 また、8月中旬から9月上旬に、「彩音」「夢ごろも」をまくと、翌年1月から3月の収穫となります。

○ハクサイ
 年内に収穫をする場合は、8月25日ごろから「無双」「黄ごころ65」などをポットにまき、寒冷紗などで遮光して育苗をします。
 また、1月から2月に収穫する場合、「黄ごころ85」を9月上旬にまきます。

○ブロッコリー
 7月下旬から「ハイツSP」などの頂花蕾と側花蕾が収穫可能な品種をまくと、長期間収穫できます。
 また、7月中旬から8月中旬に「ピクセル」をまくと、11月から12月に頂花蕾が収穫でき、その後追肥すると側花蕾が数個収穫できます。1月以降の収穫には、「メガドーム」を8月上旬から9月上旬にまきます。

○レタス
 8月下旬に「サウザー」をまくと、11月上旬から収穫可能です。「シスコ」は9月中旬まきで、12月中旬の収穫となります。

○ニンジン
 8月上旬に「Dr・カロテン5」をまきます。は種後に、芽出し資材の「芽出たいシート」をべた掛けすると、きれいに発芽がそろいます。

◇定植時の粒剤防除
 「ミネクトデュオ粒剤」は、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー、レタスなど主要な作物の植え付け後に、株元へ1g散布します。
 根から吸収された成分が地上部まで移行し、作物を対象害虫(アブラムシ類、コナガ、アオムシ、ハイマダラノメイガ、カブラハバチ)から守ってくれます。
 処理後3~4週間と、長い期間効果が持続するため、初期の害虫でお困りの畑では使用をおすすめします。


  果樹 ◇カキの管理
 果実肥大とともに、主枝、亜主枝が垂れ下がってきます。枝が混んで重なりあうと、果実が傷つき、着色不良、病害虫の発生を助長します。
 枝折れ防止、日当たり改善のため、支柱を立て、枝吊りを行ないましょう。
 また、過乾燥は肥大不足、日焼けを引き起こしますので、定期的に潅水します。
 台風で落葉が激しい場合は、再度、摘果が必要です。特に葉のない結果枝についた果実は摘果します。
 8月上旬から中旬は、カキノヘタムシガの重点防除時期になります(「サムコルフロアブル10」など)。

◇イチジクの収穫

 収穫前にハダニ、サビ病等が発生していないか確認します。
 収穫は、果実の温度が上がる前の早朝に行ないます。
 イチジクは、収穫約2週間前から成熟が急速に進み、少しの収穫期の違いが品質(熟度)に影響します。
 収穫が早いと低糖度、逆に遅いと日持ちが悪くなります。
 収穫は果実の着色、硬さ、垂れ具合で判断しましょう。
 また、葉からの蒸散量が激しい時期ですので、少量多回数で潅水することが重要です。
 降雨後などは裂開部に水が入ると傷みが早いため、選別をしっかり行なう必要があります。

◇核果類の礼肥
 モモやアンズ、スモモなどの核果類は、早期樹勢回復、貯蔵養分の蓄積を目的に礼肥を施用します。
 収穫直後に、「硝酸入り化成肥料S604」などの速効性肥料を施用(10aあたり20kg程度)し、十分潅水しましょう。
 新梢の伸びが停止しない樹や、早期落葉樹では施用量を制限するとともに、徒長枝や副梢の整理が必要です。

◇柑橘の管理
ハダニ(成虫)
ハダニ(成虫)
 着果量が多く、摘果不足の場合は、小玉果が多くなります。仕上げ摘果を葉果比20~25を目安に徹底して行ないましょう。
 特に豊作樹は樹勢維持のため、樹の先端部を摘果します。
 中晩柑類は大玉生産を目標に、早期に摘果を終え、潅水を行ないましょう。
 昨年発生の多かった黒点病、ハダニ、サビダニは防除を徹底してください。




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北部版


  水稲 ◇水管理
秋落ちで発生しやすい
 ごま葉枯病
秋落ちで発生しやすいごま葉枯病
 穂ばらみ期から出穂期、乳熟期までは、稲が最も水を必要とする時期です。
 ただし、水を湛めたままにすると根が弱り、下葉の枯れ上がりや黄化、ごま葉枯病などの発生を引き起こします。
 出穂後は間断灌漑(かんがい)を行なうことで、根を健全に保ち登熟を助けます。
 落水は登熟を助けるため、出穂後30日を目安にします。ただし、降雨が予測されない場合、乾きやすいほ場では最後の登熟を助けるため、落水1週間後に走り水をします。

◇病害虫の防除
 穂ぞろい期に、穂いもちやウンカ類、カメムシ類の同時防除を行ないます。
 出穂直後から籾を加害し、斑点米の原因となるカスミカメムシが多く発生しています。
 このため、出穂後は早い段階での防除が重要になります。コシヒカリは、穂ぞろい期とその7日後に2回、防除をしましょう。「スタークル粉剤DL」を10aあたり3kg、または「スタークル液剤10」の1,000倍液を10aあたり150ℓ散布します。
 また、カメムシは水田周辺の雑草地に潜んでいるため、草刈りを行ないます。ただし、出穂直前に行なうと逆に水田に追い込むことになるため、出穂の2週間前までにします。
 粉剤を散布する場合は、風が収まりやすい夕方に行ないます。特に周辺住民や近隣の農作物栽培者への連絡を徹底しましょう。また、農薬を一番吸い込むのは作業者自身です。自分の体を守るため、散布時には防除衣や農薬用マスク、手袋などを必ず着用しましょう。
出穂期~穂ぞろい期までの防除
剤型 ウンカ類 カメムシ類 いもち病 ごま葉枯病 薬剤名 使用基準
(10aあたり)
粉剤 ビームスタークル粉剤5DL 4kg
ブラシンダントツH粉剤DL
液剤 ブラシンフロアブル 150ℓ
(1,000倍希釈)
スタークル液剤10
ビームエイトスタークルゾル
いずれか1つの剤を選択してください。

出穂後に加害するカメムシ
カメムシによる斑点米 アカスジカスミカメ
カメムシによる斑点米
1,000粒中2粒あると2等米になる。
アカスジカスミカメ
稲の乳熟期以前に吸われると不稔となり、糊熟期以降に吸われると斑点米となる。


  野菜 ◇秋まき野菜の植え付け準備
ニンジンの又根
ニンジンの又根
 ダイコンやニンジンなどの根菜類は、種まき直前に堆肥などを入れると又根になります。30日前には堆肥を入れ、種まきまでに4~5回耕うんします。そのほかの又根の原因は、根が伸びる先にある石や肥料、すき込んだ前作の植物残渣や雑草などです。
 また、耕うんをしっかり行なうと、土中に酸素が供給され、つやの良いダイコンや、色の鮮やかなニンジンができます。
 酸素が不足すると、ダイコンは皮がくすみ、透明感のないものになります。また、ニンジンは先が細く、色の悪い白けたものになります。

◇品種の選定と管理
 収穫の時期・料理の仕方に応じて品種の選定をします。同じ時期にまいても、品種を変えることで順番に長期間収穫できます。
 まく時期が早すぎると害虫や病気が多く発生し、栽培が困難となります。
 反対に遅すぎる場合は、ダイコンは太りが悪くなり、ハクサイやキャベツは巻かない場合があります。
 レタス・ホウレンソウは暑いと発芽が悪いため、一昼夜、水に浸けた後、水を切り涼しい所(20℃)で芽出しを行ないます。
 レタスのは種は8月上旬に行ない、20日程度育苗して定植します。プラグ育苗は、128穴トレーに1粒ずつまいて、薄く土をかけ、新聞紙などで被覆します。
 芽が出始めたら新聞紙を取り除き、光に当てます。苗が徒長しやすいので夕方の潅水は行ないません。

◇害虫防除
○初期の害虫防除
 初期の害虫防除は必ず行ないましょう。夏が高温で推移した年は、害虫が多く発生します。特に、キスジノミハムシやハイマダラノメイガには注意しましょう。
 また、土壌中にはヨトウムシやネキリムシ、キスジノミハムシの幼虫が発生し、苗を食害します。
 登録のある作物を確認のうえ、植え付け前に畝全面へ「ダイアジノン粒剤5」を1aあたり400~600g散布して防除します。特にダイコンは、キスジノミハムシの幼虫が表面をかじるため注意しましょう。
粒剤を使用した場所の間引き菜は食べられません。
 キャベツ・ブロッコリー・ハクサイの根こぶ病予防として「オラクル粉剤」を1aあたり3kg施用します。
 定植時に「モスピラン粒剤」を植え穴に混和し、アオムシ、ハイマダラノメイガ、アブラムシなどの初期害虫を防除します。
キスジノミハムシ ハイマダラノメイガ
キスジノミハムシ ハイマダラノメイガ

○定植後の防除
 定植2週間後から病害虫の防除を行ないます。べと病などの予防として「ダコニール1000フロアブル」を散布します。あわせて、葉を食害するハイマダラノメイガやハスモンヨトウ、コナガなどの害虫防除として「プレオフロアブル」または「フェニックス顆粒水和剤」を散布します。

○大豆の管理
 開花期~幼莢期(白大豆は8月中旬、丹波黒大豆は8月下旬)に乾燥すると花が落ち、さやの太りが悪くなるため、土が乾かないように畝間に走り水をします。
 開花後、マメシンクイガやカメムシ、ハスモンヨトウなどの害虫に注意します。
 防除は、開花2~3週間後より10日おきに2回、「トレボン粉剤DL」を1aあたり400g散布します。


  果樹 ◇台風対策(地域共通)
 気温が高い年の台風は、強い勢力を保ったまま上陸するものが多い傾向です。
 事前の対策として、収穫期の果実は台風の接近前になるべく収穫し、落果・打撲被害を軽減しましょう。
 また、苗木や幼木の枝の誘引は、適度に遊びを持たせて、支柱などにくくりつけましょう。果樹棚の棚線の緩み、支柱の腐食箇所の補修補強も必要です。
 集中的な降雨によって園地に水がたまることがないよう、排水溝の整備を行ないます。
 事後対策として、台風の吹き返しが収まり次第、早急に倒伏樹の起こし上げ、折れた枝の切除を行ないます。保護剤の塗布、落葉被害樹の日焼け防止も行ないましょう。
 核果類のせん孔細菌病、黒斑病やナシの輪紋病などの病気を抑えるため、殺菌剤を散布します。

◇新梢管理(各品目共通)
 落葉果樹は、主に7~8月が花芽分化期となります。翌年の結果母枝(結果枝が発生する枝)として利用する枝に日光が当たらないと、枝の充実や花芽の着生が悪い場合があります。
 徒長枝や副梢を除去し、樹冠下に20%くらい光が差し込む程度に調節します。
 徒長枝の除去は原則、基から取り除きますが、一部早期に摘芯したり、基部を20cmぐらい残して切り返すことで、更新枝として使用が可能な場合があります。

◇ブドウの管理
○結果量の見直し
 着色が飛び玉状に進む場合は、順調に着色が進行していますが、房全体がぼんやりと着色してくる場合は、着果過多が考えられます。
 着果量が多いと、着色不良や糖度不足を招きます。また、樹勢低下や翌年の初期生育にも影響します。枝の登熟、着色、糖度の上昇状態を確認し、再度、結果量を見直しましょう。

○成熟期の土壌水分
 成熟期には潅水をやや控えめに行ない、糖度の上昇や着色を促します。過度の乾燥は果粒の萎れを引き起こし、減酸も鈍くなります。高温乾燥が続くようであれば、7~10日間隔で10~15mmの潅水を行なう必要があります。

○裂果対策
 着色が始まると、果実は裂果しやすい時期となります。裂果は、土壌水分の急激な変化や長雨などが原因で、水分を吸収し急激に肥大しようとするときに発生します。定期的な潅水によって土壌水分を適湿に保ちましょう。
 また、降雨が続いても園内に水がたまらないよう排水対策を徹底しましょう。