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◇適期収穫
「恋の予感」は、収穫適期になっても長い止葉に青味が残るため、刈り遅れにならないように気を付けます。
ほ場の中でも葉色が濃い所や薄い所を避け、平均的な所の籾をよく見て、刈り取り時期を判断しましょう(青味籾率:コンバイン5%、バインダー10%)。
平年の出穂は、「恋の予感」が8月26日~28日、「ヒノヒカリ」が8月23日~25日となりますが、今年は平年並みの見込みです(8月16日時点の予想)。
今後も好天が続くと予想されており、6月上旬田植えの収穫は、「恋の予感」が10月9日~12日ごろ、「ヒノヒカリ」は10月4日~7日ごろとなる見込みです。詳細は、9月中旬以降にグリーンセンター、あぐりメールで告知します。
◇籾の乾燥
コンバインで収穫した籾は、籾袋に入ったままにしておくと発酵して変質します。できるだけ早く、数時間以内に乾燥を行ないましょう。すぐに乾燥ができない場合は、通風だけでも行なうようにします。
毎時0.8%以下の水分減で乾燥します。高温で乾燥させると胴割粒などが発生し、米を炊いたときに溶けてべたつくため、食味低下の原因となります。
整粒の籾水分が14.5~15%になるように仕上げます。
◇籾すり
すり減ったロールを使用すると、ロールずれが起こったり、玄米へ籾が混入したりするため、事前に新品と交換しましょう。
玄米水分の均一化と、肌ずれ防止のため、乾燥終了後は最低6時間以上放冷し、籾をよく冷ましてから籾すりします。
◇調整
ライスグレーダーや米選機の網目は1.85mmにし、整粒歩合80%以上を目指します。
◇精米
「恋の予感」は、「ヒノヒカリ」と比べ精米時間が長くかかるため、精米不足にならないよう気を付けましょう。
ヌカ層に油分が多いので、しっかり研いで炊飯するとおいしく炊き上がります。
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◇秋まき野菜のは種
○エンドウ・ソラマメ
◆ソラマメのは種 |
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冬越しをするため、早まきして苗が大きく育つと、寒さで株が傷みます。必ず適期に種をまきましょう。
は種適期は、10月下旬~11月上旬です。水はけの悪いところでは、種が腐りやすいためポットで育苗します。ソラマメは、おはぐろ部分を下にしてポットにまきましょう。
水をやり過ぎると腐るので、土がよく乾いてから潅水します。定植は、本葉2~3枚で行ないます。
○ホウレンソウ
「クローネ」「クロノス」「弁天丸」などの品種をまきます。
10月中旬に、は種すると12月中旬~1月にかけて収穫できます。
これからの時期は、寒さを受けるため甘みが増し、病害虫の発生も少なくなります。
○ニンニクの植え付け
9月下旬~10月中旬に植え付けを行ないます。土が固いと生育が悪くなるため、必ず堆肥を施用します。
基肥として、1aあたり「豊穣」200kg、「苦土セルカ2号」10kg、「やさい化成1号」13kgを施用します。
良い種球を早めに手配し、りん片を一片ずつはずしましょう。病害虫被害のあるものを除き植え付けます。
植え付け間隔は、条間25cm、株間15cmとし、深さ5~6cmとなるようにします。
◇秋まき野菜の管理
○害虫防除
止肥の時期に仕上げ防除を行ないます。キャベツ・ハクサイの結球始めに、ヨトウムシ・アオムシの内部侵入や、ブロッコリーの出蕾期に、コナガ・ハスモンヨトウによる品質低下を防ぐため、「プレオフロアブル」1,000倍液を散布します。
※農薬使用時は、必ず登録内容をご確認ください。
○タマネギ苗の管理
土が固くなると苗の生育が悪くなるため、堆肥などを施用し、中耕します。
葉先が枯れるようなら、べと病や白色疫病の可能性があります。防除として「プロポーズ顆粒水和剤」1,000倍液を散布します。
○追肥
秋まき野菜は、適期の追肥が大きさとおいしさを決めます。最終の追肥(止肥)の時期になりますので、遅れないようにしましょう。止肥は、畝の肩と条間に行ないます。
◆主な秋まき野菜の追肥(やさい化成2号)
作物名 |
施用時期 |
1aあたりの施用量 |
ハクサイ |
結球始め |
4kg |
ダイコン |
本葉6~7枚 |
4kg |
キャベツ |
結球始め |
6kg |
ブロッコリー |
蕾が見える前 |
10kg |
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◇カキの収穫
「西条」の収穫目安は、果皮の70%程度が着色し、ヘタの部分に緑色が残るころです。渋カキの脱渋は、ドライアイスやアルコールを使用するのが一般的です。脱渋処理後は密封状態にし、気温15℃以上で3~5日置くと渋が抜けます。
「富有」は、赤道部が濃い橙色に色づくと収穫適期です。
「早秋」は、果実全体が真っ赤な紅色に色づいてから収穫を行ないます。
生傷の発生につながる長軸は、短く切り落とします。収穫後は、果実温が上がらないよう日陰などに置き、商品ロスの防止に努めます。
◇かんきつ
○腐敗防止(温州みかん)
軸長果、ハサミ傷、打撲は果実が腐敗する原因となります。収穫や家庭選別時は丁寧に扱いましょう。
収穫予定の7日前までに、「ベフトップジンフロアブル」1,500倍液で貯蔵病害防除を行ないます。品種によって収穫時期が異なるので、小まめに防除しましょう。
○病害虫防除
着色期には、アザミウマ類やカメムシが果実に被害を与えるため、早めの防除を徹底します。
また、秋に気温が高くなり乾燥すると、ハダニ・サビダニの発生が増えるので注意が必要です。
◇イチジクの管理
収穫・出荷作業は終盤です。肌寒くなると、熟すための時間も長くなります。高温時と比べ潅水を調整し、食味重視の収穫を心掛けましょう。
近年、高温障害が増えています。激しい天候の変化に対応するには、客土や完熟堆肥など、有機物の投入による土づくりが欠かせません。準備に取り掛かりましょう。
◇モモ・スモモ
○落葉状況の観察
樹の状態が良い場合は、一斉に落葉します。
一方、病害虫の被害や、根が弱っていると早期落葉し、逆にチッ素が遅効きすると落葉が遅くなります。
樹の状態を見極め、施肥量・せん定の調整、土づくり、防除などの改善に努めましょう。
○コスカシバ防除
コスカシバの被害を受けた場合、虫糞が出ている部分の表皮を金づちでたたいて圧死させるか、ナイフで削って幼虫を捕殺してください。
◇土づくり (北部版参照)
◇苗木の定植準備 (北部版参照)
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◇土づくり
高温による乳白などの未熟粒が増え、品質の低下が問題となっています。良質米の安定多収は、まず土づくりからです。
○有機物(完熟堆肥、稲ワラ)の施用
良質な堆肥の施用で地力が上がり、根の活力が高まります。
また、稲ワラや籾殻は、地力を高める有益な微生物や腐植を増やす有機物です。焼いたりせず、田植えまでにしっかり腐らせて、ほ場へ還元しましょう。
ただし、田植えまでに腐らせておかないと、田植え後にガスが発生して水稲の根を傷めてしまいます。特に間断潅漑や中干しが十分できないほ場では、発生しやすくなります。
稲ワラは収穫後、10月中にできるだけ早く、「石灰窒素」「アグリ革命」などの腐熟促進剤を施用してすき込み、水田はできるだけ干すように排水溝などを設置します。
○土づくり肥料の施用
◆カソロン散布
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散布:1月下旬 調査:4月下旬 |
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土づくり肥料は、春先までの農閑期に施用し耕起します。水田にケイ酸や鉄分が不足すると、登熟不良となりやすいので注意しましょう。
「粒状ミネラルG」や「ケイカル」などの土づくり肥料を施用し、地力を回復させて丈夫な稲づくりを目指します。
「オイスターミネラル」は、カキ殻と吸収性の高いケイ酸を含んだ資材です。根張りを改善するとともに、稲の受光態勢が良くなり、効率的に光合成が行なわれるため、増収効果が期待できます。
○水田刈り取り後の除草剤散布
水田の刈り取り後の雑草対策として、稲ワラを取り除いた後「ラウンドアップマックスロード」50~100倍液を、10aあたり50~100ℓ散布しましょう。刈り取り後に再生するクログワイ、オモダカなどを枯らすことができます。
畦畔や用水路の雑草はカメムシなどの越冬場所になるため、水田周辺の雑草を枯らすことが重要です。「カソロン粒剤4.5」を、12月ごろに水田周辺の畦畔に散布することで、雑草の発生を抑え、越冬害虫のすみかをなくします。防除を行なうことで、来年の害虫発生の密度を軽減させましょう。
◆主な土づくり肥料と特徴
資材名 |
施用量
(10aあたり) |
施用時期 |
特 徴 |
オイスターミネラル |
100kg |
秋荒起こし~
代かき |
ケイ酸とカキ殻のダブル効果で強い稲づくりができ、収量が安定する。 |
粒上ミネラルG |
200kg |
ケイ酸や鉄分などをバランス良く含み、総合的な土づくりに適する。 |
みつパワー |
100kg |
ミネラル分をバランスよく含んでおり、特に砂地で秋落ちしやすい土壌に適する |
石灰窒素 |
15kg |
収穫後早期に |
速効性の窒素単肥で、刈り取り後の水田で稲ワラに散布すると、分解を促進する効果がある。 |
アグリ革命 |
2kg |
秋荒起こし~
翌年3月 |
稲ワラ分解酵素が原料で、確実にワラを腐熟させる。降雨語など水分があるときに散布する。稲刈り後、早期に散布し、浅くすき込むと効果的。 |
豊土サングリーン
(基肥用) |
5kg |
繊維素分解菌が、生ワラ・未熟堆肥を分解させ、根腐れを抑制する。乾田状態で施用。 |
ベントナイト |
1,210kg
(4kg/坪) |
水田漏水防止資材で、水中に入れると容積が著しく膨張する。耕起または荒起こし前に全面散布し、土壌とよく混合する。降雨直後や湿田状態では施用しない。 |
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◇秋まき野菜の管理
○大豆
葉がほとんど落ち、莢の大部分が褐色になって子実が硬化してきます。振るとカラカラと音がするようになってから、3~4日後が収穫適期です。
刈り取りが早いとシワができ、遅れると色つやが悪くなります。刈り取りは、シワを防ぐため、曇りの日や朝か夕方に行ないます。
自然乾燥は、晴天が続けば5~7日間で脱粒作業ができるくらいにします。
○バレイショ
◆バレイショの土寄せ |
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蕾がついたら「やさい化成2号」を1aあたり3kg施用し、土寄せを行ないます。
新しいイモは、種イモより上につくので、土寄せは土を高く盛り、イモのつく場所を確保して、収量を増やすために行ないます。イモに光が当たると、緑化するため食用にできません。
○イチゴ
10月下旬~11月中旬が定植適期です。1aあたり「豊穣」100kg、「苦土入りセルカ2号」10kg、「福山やさい有機189」10kgを施用し、畝を立てます。
畝幅は150cmとし、40~50cmの高畝にします。植え方は2条植えとし、株間25~30cmで、必ず苗のクラウンが出るように浅植えします。
※深植えは禁物 |
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クラウンの部分が地上に出ているように、やや浅植えにする。 |
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◇秋まき野菜の収穫
○キャベツ
玉の頭を押さえ、中が締まっているようなら収穫適期です。収穫が遅れると、玉が裂けるので注意しましょう。
○ブロッコリー
頂花蕾の収穫適期は、小さな蕾が密に寄り合い、全体として大きな塊になったときです。頂花蕾を収穫後、「やさい化成2号」を1aあたり6kg追肥し、側花蕾を収穫します。頂花蕾を収穫するときに茎を短く切り詰めておくと、側花蕾が大きくなります。
○ダイコン
上に向かって勢いよく伸びていた外葉が開き気味になり、垂れるようになったら収穫適期です。収穫が遅れるとス入りになるため、適期収穫に努めましょう。
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◇土づくり (南部・北部共通)
土づくりによって、土と土の間に適度な空気や水分が保たれることで、養分吸収が容易になり、細根も広く張ることができます。
細根量の減少が原因で樹勢が低下したり、生理障害が多くなったりしているほ場では、土壌改良のため「バーク堆肥」の投入や部分深耕・中耕などを行ないましょう。細根を広く張る環境を整えることができます。
表面を中心に耕す中耕、土壌の深い所に細根の発生を促す深耕、土壌改良のために行なう「バーク堆肥」の投入が主な作業になります。
中耕は、秋根が発生しやすく、伸長が旺盛な10月が適期です。
深耕は、根を切りすぎて樹を弱らせる恐れがあるので、数年かけて計画的に行ないます。
「バーク堆肥」は10aあたり2tを目安に、完熟したものを用いましょう。
土づくりはコツコツと継続して行ない、徐々に地力をつける必要があります。
◇苗木の定植準備 (南部・北部共通)
◆果樹の10aあたり栽植本数
(目安)
作物名 |
本数 |
イチジク |
25本 |
ウメ |
30本 |
柿 |
20本 |
キウイフルーツ |
25本 |
栗 |
15本 |
ブドウ |
25本 |
桃 |
25本 |
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苗木の植え付けは、春と秋の年2回が適期となります。秋植えの方が春先の発根が良くなりますが、砂地で乾燥しやすい土壌、凍害の発生する園地では、春植えの方が良いです。
秋に新しく苗木を植え付ける予定の園では、定植位置を決めて1㎡あたり「バーク堆肥」30kg、「苦土セルカ2号」1kg、「ようりん」0.5kgを、深さ50cmの所に土と混ぜて準備しておきます。
なお改植の場合、連作障害対策として前作の樹の根を除去し、客土を行ないます。
ブルーベリーは酸性土壌を好むので、「ピートモス(pH無調整)」に鹿沼土を混ぜて水を吸収させ、20ℓ/株を植え穴に投入します。
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《田・畑の土壌診断》
効率的に作物を栽培するため、土壌を分析し、肥培管理を行ないましょう
採取する土壌の量は、1点あたり100g程度あれば分析可能です。
なお、診断には1ヵ月ほどかかります。
詳しくは、各グリーンセンターまで。
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診断基本項目:
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水稲7項目(pH・EC・リン酸・カリ・ケイ酸・鉄・腐植) |
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畑作7項目(pH・EC・リン酸・石灰・苦土・カリ・腐植) |
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採取時期:
作物の収穫後、次作の耕起、肥料散布前に行ないます。 |
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分析用試料:
風乾した土壌サンプルを1mm程度の目のふるいにかけ、50gをビニール袋に入れてください。
ビニール袋には氏名・ほ場名・作物名を記入し、ご提出ください。 |
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基本項目の診断費用:
1サンプル 300円(税抜)
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