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◇令和2年産水稲の生育経過
【品種 恋の予感】
(1)育苗期
育苗期は気温が高く推移し、苗の生育は順調に進みました。
(2)田植え~活着期
田植えは6月6日~7日を中心に行なわれ、田植え後も生育は順調に推移しました。
(3)生育期
梅雨入りは、6月10日と平年並みでしたが、梅雨明けは7月31日と遅くなり、硫化水素ガスの発生や日照不足、低温が影響して、分けつの確保が遅れました。
トビイロウンカの飛来が平年より早く、7月上旬にはまとまった数が確認され、7月30日に注意報が発令されました。その後、22年振りの警報が8月13日に発令されました。あわせて、コブノメイガも多発しました。
また、梅雨明けが長引いたことにより、山間部では葉いもちの発生が多くなりました。
(4)出穂期
出穂は梅雨明け後、高温が続いたため早くなり、6月上旬の田植えで、8月25日ごろとなりました。出穂後も気温が高く推移し、登熟に適した気候となりました。一方、8月下旬からトビイロウンカの被害が拡大し、坪枯れが発生し始めました。
(5)登熟期・収穫期
登熟期は、9月中旬までは高温が続き、「恋の予感」に適した栽培環境となりました。トビイロウンカの被害は拡大が続き、坪枯れや全面枯れが発生しました。
収穫期は、9月の気象条件やウンカの被害が影響し、平年より早くなりました。
(6)収量・品質
トビイロウンカや紋枯病などの影響で、登熟不良となり、収量や品質の低下が目立ちました。広島県南部の作況指数は90(10月15日現在)となり、収量は「不良」となりました。1等米等級比率は53.2%(10月31日現在)となっています。
◆令和2年の気温と降水量・日照時間の推移 〔アメダスデータ:福山〕 |
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◇冬越し野菜の管理
タマネギは、一発肥料を施していないほ場では追肥を行ないます。肥料は、「やさい化成2号」を1aあたり4kg施用します。
また、霜柱がひどい所では根が傷むため、「豊穣」を表層へ散布して被害を軽減させます。
病気の発生が懸念され、予防剤を散布していない場合は、日中の暖かいときに「ジマンダイセン水和剤」を散布しましょう。
イチゴは、1月下旬に「福山やさい有機129」を1aあたり3kg施用します。冬の寒さで葉が小さくなり、秋に定植した葉が枯れこんできたら、基からかぎ取ります。
◇冬越し野菜の防寒対策
ハクサイやキャベツは、マイナス2~3℃の低温が何日も続いたり、急な寒さにあったりすると、葉先や結球上部が枯死、または腐敗するため注意をしましょう。
ハクサイは、外葉を束ねヒモで縛り、不織布をべた掛けします。
ブロッコリーは、中生種の収穫時期となりますが、低温にあうと花蕾が紫になり中心が傷むため、不織布を掛けて霜の害を防ぎます。
根菜類は、地上へ出ている部分が凍害を受けるため、肩の部分に土を寄せて冬を越します。
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◇中晩柑
今年の冬は、ラニーニャ現象の影響で平年より気温が低い傾向となる恐れがあります。12月以降、寒波被害に注意が必要です。
〇収穫
中晩柑は完熟収穫が目標です。腐敗防止剤の散布を徹底し、収穫時は果実を傷つけないように二度切りしましょう。果実は、投げ入れたりして衝撃を受けないよう丁寧に扱い、傷つけないようにします。
氷点下に長時間さらされ、凍結した果実は、果皮障害や苦味、ス上がりが発生する場合があります。
冬期に収穫する中晩柑では、気象情報に注意してください。寒波の襲来が予想される場合は、外成りの果実から優先的に収穫しましょう。
収穫した果実は、着色(7分程度を境に)に応じて仕分けて貯蔵します。
〇貯蔵管理
貯蔵による商品性の低下を防ぐため、温湿度管理、腐敗果の点検、入庫量の調整を徹底しましょう。また、青みが残っている着色の悪い果実は、収穫直後に軽く保温することで着色が進みます。
果皮のしおれなどで商品性を低下させないようにしましょう。貯蔵庫内が乾燥している場合は、打ち水をして保湿に努めます。
酸欠状態も、貯蔵中の品質低下につながるため、気温が貯蔵適温に近い時間帯に換気を行なってください。
◇土づくり (地域共通)
土壌の保水性・保肥力の維持、向上のため、土づくりは欠かせません。土を作ることは根の活性化につながります。
毎年、継続することで細根量が増え、気象変動に強い高品質の果実が生産できます。
〇石灰質資材の施用
土壌酸度を矯正するため、「苦土石灰(苦土セルカ2号)」などを10aあたり100kgを目安に施用します。
ただし、ブルーベリーは土壌がアルカリ性に傾くと、生育が極端に悪くなるので、石灰ではなく「ピートモス」を施用します。
〇有機物の施用
10aあたり2t以上の完熟堆肥(「豊穣」など)を施用しましょう。未熟な堆肥施用は、土壌病害の発生原因になります。完熟した堆肥の目安は、臭いがなく、色が黒に近いものです。
〇客土
新根の発生を促し、根域を広げるために実施しましょう。イチジクなど根の浅い樹種には、真砂土の客土が効果的です。
〇中耕
踏み固めた土壌を柔らかくし、根が活動しやすい環境を作るため、中耕を行ないましょう。冬期に中耕をする場合は、表土を崩す程度にとどめ、秋に発生した根を切りすぎないように注意します。
イチジクやキウイなど根の浅いものは、機械による中耕は避けましょう。
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◇令和2年産水稲の生育経過
【品種 コシヒカリ】
(1)育苗期
4月は低温の日が多く、一部で苗生育の停滞が見られましたが、4月末からは概ね順調に推移しました。
(2)育苗期
田植えは5月の連休を中心に行なわれましたが、4月後半の低温の影響で水温が上がらず、活着が若干抑制された水田もありました。
(3)生育期
田植え後は、気温が高めに推移したため、水田土壌の還元が急激に進み、ガスが発生して、赤枯れ症が多く見受けられました。また、水管理が不十分な一部の水田では、除草剤の効果が不安定となり、雑草が発生しました。
梅雨明け(7月31日)が遅れ、7月は平均気温が低く、日照時間も少ない日が続いたため、生育が抑制され、分けつは少なく経過しました。特に、遅植えで疎植のほ場では、茎数不足となりました。
(4)幼穂形成期~出穂期
梅雨期の低温・日照不足などの影響により、出穂期は昨年に比べ2~3日程度遅くなりました。
(5)登熟・収穫期
出穂期以降、好天に恵まれ、登熟は順調に進んでいったものの、7月の日照不足により、平年より有効茎数が少なくなりました。台風の直撃はなかったものの、風や収穫前の降雨、トビイロウンカの被害で、倒伏が見られました。また、トビイロウンカによる倒伏被害の拡大が心配されたため、全般的に収穫作業が早まりました。
(6)収量・品質
梅雨前線が長期に渡り停滞したため、セジロウンカ・トビイロウンカ・コブノメイガなど飛来性害虫の発生が多発しました。特に、トビイロウンカ(秋ウンカ)は、8月13日に22年振りの警報が発令されました。
その後、気温が高く推移し、トビイロウンカの成長に適した気候が続きました。9月上旬から坪枯れや全面枯れが発生し、登熟不足となって減収要因になりました。また、8月に降雨が少なかったため、渇水被害や高温による白未熟粒の発生がありました。
広島県北部の作況指数は96(10月15日現在)で、収量は「やや不良」となりました。また、コシヒカリの1等米等級比率は95.1%(10月31日現在)でした。
〔土づくり〕
近年の稲作の課題として、湛水時のガスの発生、生育後半の秋落ち、乳白や未熟粒の増加、米の痩せによる品質、収量の不安定化が問題となっています。
これは、微量要素の不足により、根が弱っていることが原因です。
施用が必要な成分に「鉄分」と「ケイ酸」がありますが、毎年、バランス良く微量要素を施用することが必要です。鉄分はガスの発生を抑え、根を健康に保つ効果があります。
また、ケイ酸は稲体の主要成分で、倒伏などに強くなります。毎年、土づくりを行なうことで、安定した稲を作りましょう。
土づくり資材を施用する前には、土壌診断を実施し、不足している成分を中心に土づくりを行ないます。効率的な良質・多収米の生産を行ないましょう。
◆令和2年の気温と降水量・日照時間の推移 〔アメダスデータ:油木〕 |
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◇野菜の作付け計画
◆連作と野菜
連作障害の
少ないもの |
ネギ・カボチャ・
ホウレンソウ・サツマイモ |
1年以上連絡を
避けるもの |
タマネギ・レタス・
ダイコン・カブ・ニンジン・
インゲンマメ |
2年以上連作を
避けるもの |
ハクサイ・キャベツ・
カリフラワー・オクラ |
3年以上連作を
避けるもの |
ゴボウ・バレイショ・
キュウリ・サトイモ・
エダマメ・ソラマメ |
5年以上連作を
避けるもの |
トマト・ナス・ピーマン・
スイカ・エンドウ |
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野菜ごとに必要な株数、栽培期間、輪作などを考え、植え付け計画を進めます。
畑の区割りをするときには、連作障害や日当たり、排水、水の便などを考えて作付けしましょう。
連作障害の出やすさは、野菜の種類によって差があります。エンドウやサトイモは、根からの分泌物に自家中毒を起こす物質を含んでいますので、連作障害が著しく発生します。
ナス科(ナス、トマト、バレイショなど)、アブラナ科(ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーなど)は、共通の病害虫を持っているため、連作障害が出やすくなります。
また、特に肥料が残りやすいハクサイの後作には、トマトやスイカ、メロン、サツマイモなど、つるぼけしやすい作物の作付けは避けます。
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◇落葉果樹の整枝・せん定
〇ブドウ(短梢せん定)
◆せん定バサミとノコギリ |
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樹液が止まってからせん定を始め、樹液が流れ始めるまでに終了します。
枝の充実が悪い樹や若木では、厳寒期を過ぎてからせん定に取り掛かりましょう。
芽の方向や大きさ、枝の充実度を判断して、枝(母枝)の基部1芽を残して切る1芽せん定を基本とします。
乾燥や寒さによる枯れ込みが考えられる場合は、残す芽の1芽先の節で切る犠牲芽せん定を行ないます。
主枝形成中の新梢の切り返しは、品種や前年の伸長具合によって変わりますが、15芽程度残して切ります。
〇核果類(ウメ・スモモなど)
◆側枝(結果枝)のせん定 |
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樹形が開張しやすい核果類は、主枝、亜主枝の先端があまり伸びず、樹勢が弱りやすくなります。側枝の更新を積極的に行ないましょう。
切り返しせん定を中心に、枝の若返りを行ないます(結果枝:先端1/4程度を切る。更新枝:先端1/3程度を切る)。
一方、枝の伸びが旺盛な、勢いのある樹は枝を誘引し、樹を落ち着かせると同時に、間引きを中心に行ないます。
骨格枝の日焼け防止のため、葉芽の確保や返し枝などを利用しましょう。
ウメやモモは、切り口の癒合が悪いため、極端な太枝切りなどは避けます。大きい枝を切る場合は、数年に分けて切り縮めていきましょう。
◇越冬病害虫対策(落葉果樹)
〇粗皮剥ぎ・園内清掃
ブドウ、カキなどの樹皮下には、ハダニ類、カイガラムシ類、イラガなどの害虫が越冬しています。
薬剤がかかりやすい状態と、越冬害虫の個体数を減らすため、発芽までに古くなった表皮剥ぎ(粗皮剥ぎ)を行ないましょう。
粗皮剥ぎは、3~5年に一度のペースで実施します。あわせて、落葉、せん定枝、残果は病害虫の発生源となります。越冬病害虫密度低減のため、園外に持ち出して処分しましょう。
◆越冬中のカイガラムシ |
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◆越冬中のイラガ |
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◆越冬したカイガラムシ |
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◇土づくり (南部版参照)
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